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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第253回

Apple Music Classicalを試して気付いた「良さ」と「もの足りなさ」

2024年01月28日 09時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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本格的なPCオーディオ再生には少しもの足りない

 少し気になったのは、マーラーを検索している時にバーンスタインのアルバムがなかなかトップに出てこないことだ。これはキュレーターとの見解の相違かもしれない。ちなみに、Roonでマーラーを検索するとバーンスタインのアルバムが上位に来る。

 もうひとつRoonと比較すると、「ショパンのノクターンをアルゲリッチの演奏で聴きたい」と思ったとき、Apple Music Classicalでは作曲者(ショパン)のページを開き、人気作品の下にある「すべての作品」をタップし、その中から「ノクターン」を検索して絞り込んでいく手順になるので、少々分かりにくいところがある。

 Roonならば検索自体が階層構造になっているので、ショパン>ノクターン>アルゲリッチと順にたどっていけるのが分かりやすい。

 そして、オーディオファンにとって一番大きな問題はMacでApple Music Classicaを使えないということだ。iOSやAndroidにUSB DACをつなぐ手はあるが、PCオーディオのシステムで再生するのなら、やはりMacで再生できないと使いにくいだろう。また、QobuzのようにRoonやAudirvānaのような音楽再生専用ソフトに統合ができないのも本格的なPCオーディオシステムでは使いにくい点ではある。

 Apple Music Classicalにはロスレスやハイレゾロスレスの高音質音源が揃っているが、それをiPhoneとAirPodsをBluetooth接続して聞くのがメインとなると残念に感じる人が多いに違いない。クラシックのファンならば、やはり家の大きなスピーカーで交響曲を聴きたいだろう。

より柔軟で高精度なAI検索に期待

 まだ問題はあるように思えるが、アップルはいずれ、アップデートで機能を増やしていくことだろう。今年度のWWDCではアップルが生成AIを大幅に導入するという噂もある。アップルには、ぜひAIを利用した検索機能をApple Music Classicalに導入してもらいたいと思う。

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