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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第251回

FiiOが、カセットプレーヤーを敢えて新開発、CESで登場した「CP13」

2024年01月21日 17時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 CES 2024ではたくさんのオーディオ機器が発表されたが、その中でも特に筆者の目を引いたのはFiiO Electronicsの「CP13」だ。これは新設計のアナログのカセットプレーヤーで、再生専用のポータブルプレーヤーだ。

 少し前に初代ウォークマンそっくりの外観のOriolus「DPS-L2」が発売され、本連載で紹介したが、その中身はESS Technologyの「ES9038PRO」を搭載した、最新のデジタルオーディオプレーヤーだった。また、ウォークマン・インスパイアものとしてはソニー自身がA100シリーズをベースにした「NW-A100TPS」を販売した。画面は凝っているが、これもやはり普通のDAPである。これらとは異なり、FiiOのCP13は、正真正銘のカセットプレーヤーだ。

実は増えているカセットプレーヤー

 実は現代のカセットテーププレーヤーは、CP13だけではない。

 国内では昨年、東芝ライフスタイルが「AX-W10」というSDメモリーカードやBluetoothに対応したカセットプレーヤーを開発している。また、海外で「WE ARE RIWIND」というカセットプレーヤーも発売された。

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 しかし、CP13は内蔵バッテリーや充電用のUSB端子は付いているものの、SDメモリーカードスロットやBluetooth機能は潔く捨てている。真摯にカセットテープ再生機について考えていることがわかる。

 CP13の側面には停止ボタン、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンがある。CESで試用したユーザーによると、カセット時代を経験したユーザーならば、仮に多少の戸惑いを覚えたとしても、すぐに指が使い方を思い出すだろうということだ。ただし、使用感についてはテープの取り出しやセットが少し厄介なようだ。このあたりは設計やノウハウの蓄積が必要なのだろう。

 さらに中国ではCDプレーヤー開発の動きも出ている。例えば、SHANLING「EC Mini」や水月雨「DISC DREAM」である。担当者に聞いてみると、中国では若者を中心としてCD復権の動きがあるということだ。

 日本でもそうしたブームはある。しかし日本の場合には若者は知らないとはいえ、国としては当時のブームを経験しているので懐古趣味的に感じられる。例えば、先のAX-W10はAurexブランド50周年記念の製品であるし、NW-A100TPSは初代ウォークマン発売から40周年を記念して企画されたものだ。

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