コントローラーには、片手ずつ形状の異なるものを採用。片方はリング状で、人差し指にはめるようにして使用する。もう片方は、中央から3つの棒が伸び、そのうちのひとつに穴が空いたような形状。こちらには、振動によるフィードバック機構を設けている。
双方、サイズとしては大きくなく、軽い。また、空間中の、意図した位置にポインティングしやすい。従来のヘッドマウンドディスプレー向けコントローラーは、ボタンを押したり、前方に突き出したり、傾けたりして操作するパターンが多かった。そうした操作体系と比較すると、人間の手の自然な動きが生かされているし、直感的だと思う。
カメラは6基搭載している。カメラを用いて現実の空間をシースルー表示させ、その映像に仮想的なオブジェクトをレイヤードさせることも可能。プロセッサーには「Snapdragon XR2+ Gen 2」を採用しており、処理性能も高い。また、PCとは有線でも無線でも接続できる仕様になる見込みだ。
なお、発売は2024年中を予定しており、価格、発売日、詳細な仕様、販路などは、現時点では明らかにされていない。
最後に、私見を交えつつ“見どころ”を考えてみる。紹介してきたように、このヘッドマウントディスプレーは、例えば「ハイエンドなコンシューマー向けの空間コンピューティングマシン」として発表されていても、スペック的には違和感がなかっただろう。
「業務用のソフトウェアを組み込み」「ある程度はっきりと用途が示された格好で」「明確なプロ向けのソリューションとしての位置付けを伴って」発表されている点が、そもそもユニークだと思う。少し先の話にはなるかもしれないが、今後、ビジネスでの活用が進む中で、同社のこの分野が、どのような進歩を遂げていくのか、また将来的に次の世代につながっていった際、コンシューマー向けのプロダクトとの間に、どのような差異が生まれていくのかも、いまから楽しみである。
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