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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第331回

2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に

2023年12月30日 12時00分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII

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 韓国と米国が2019年に先陣を切ってスタートさせた5G。4年が経過して、その展開は順調な様子だ。世界で5Gはモバイルデータトラフィックの25%を占めるに至るという。Ericssonが年2回発行する「Ericsson Mobility Report」(2023年11月版)を公開した。

Ericsson Mobility Report

スマホでの月間平均データ利用量は5年後に56GBにまで達すると予想する

5G契約数は予想を上回る増加、2023年末に16億契約に到達

 5Gの契約数が伸びている。2019年にスタートした5Gは、2023年末に16億の契約数を見込んでいる。16億という数字だが、前回(2023年6月版)は2023年末に15億との予想だったので、予想を上回るペースで増えていることになる。年初(2023年第1四半期)は11億だった。

 地域別には北米が堅調。5G加入契約の普及は2023年末に61%に達すると予想している。実は世界で最も普及している地域だ。

 5Gの人口カバレージは、現在の45%から2029年に約85%に達する見込み。なお、4G(LTE)もいまだ増えており、現在90%、2029年に95%を予想している。地域別には、米国と中国が最多、両国ともに2023年末時で95%の人口をカバーしている。契約者数で5Gが4Gを逆転するまでにはあと2-3年かかりそうだ。

 今回、Ericssonは、5Gのうちミッドバンドのカバレージのみを取り出して報告している。「100MHz以上(の周波数幅)でMassive MIMOを展開することでパフォーマンスが一番出る、5Gならではのバンド」とエリクソン・ジャパンCTO、鹿島毅氏はその特徴を説明する。5Gミッドバンドは2023年末までに世界の既存4G基地局の約30%に展開されるとEricssonは推定している。なお、5Gにおけるミッドバンドのカバレージについても北米と中国が高い(それぞれ85%、95%)。

Ericsson Mobility Report

エリクソン・ジャパンCTOの鹿島氏

5Gスマホは1000機種以上、2023年の62%を占める予想

 スマホについてもページを割いている。

 しばしば報じられているように、現在スマホ市場は不調だ。2023年第3四半期に前年同期比1%減少、2023年通年では12億台の出荷台数を予想している。これは過去10年で最低レベルという(なお、2023年第4四半期は前年同期比3%増、以降回復を予想している)。

 全体のパイが膨らまないが、5Gスマホの比率は高まっている。レポートでは、2022年には出荷台数の57%だった5Gスマホの比率が、2023年は62%を占めるという予想を公表している。5G対応機種数は累計1000を超えており、2023年だけで約240種類が投入された。

 なお、折りたたみ式は現在10社のベンダーが展開しており、合計の機種数は17。出荷台数は2023年前半、前年同期比16%増加している。

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