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「イノベーションセンターDAY」レポート

コクヨが、アパート経営やIoTを始めたワケ

2023年12月08日 19時00分更新

文● ASCII

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KOKUYO OPEN LAB.は、コンクリートを基調とした、開放感のある空間

老舗文房具メーカーの思い描く未来とは?

 会場は、同社のコクヨ品川ライブオフィスに併設された「KOKUYO OPEN LAB.」。KOKUYO OPEN LAB.は、「気が合う企業と一緒に新しい技術やシステムを研究・開発し、その過程をオープンに発信」していくことをコンセプトとした空間だ。

 ここで生まれたプロトタイプは、コクヨのオフィスで実際に使用され、完成度を高めていく。「現実のオフィス空間であると同時に、オンラインとリアルをつなぐハブの役割も持ち、他社と協業する際の拠点にもなる、ハイブリッド型の実験空間」というのが、この空間の形容として合っていそうだ。

 そんな特徴を持ったKOKUYO OPEN LAB.をはじめ、コクヨは新規事業の開発に精力的に取り組んでいる。実際に、レンタルスタジオやフードスタンド機能を併せ持った賃貸住宅である「THE CAMPUS FLATS」や、チューターによる学習サポートが受けられる中高生専用の自習室「自習室 STDY WITH Campus」、家族の“見守り”をコンセプトとしたIoT「Hello! Family.」などが生まれ、すでに事業化されている。

家族の“見守り”をコンセプトとしたIoT「Hello! Family.」

 ただ、コクヨの新規事業を担うイノベーションセンターのセンター長 三浦洋介氏は、現在の新規事業に関する取り組みについて「いまは、コクヨ式イノベーションを作っている最中。正直に言うと、まだ試行錯誤、暗中模索の段階。ゼロからイチの取り組みを中心にしていて、これから、ニーズの検証や事業の検証を重ねて、成長軌道に載せていく段階に入っていく」と話す。

三浦洋介氏は、同社の新規事業について「まだ試行錯誤、暗中模索の段階」と話す

 それもそのはずで、CCC2030の策定時に同社が掲げた売り上げの目標金額は「2030年に5000憶円」という大きなもの。大企業による新規事業の立ち上げは、時に「1000に3つ(1000の事業を立ち上げて、成功するのは3つ)」と言われることもある厳しい世界だが、三浦洋介氏の発言からも、まだ同社の新規事業に関する取り組みが、同社にとって、序章であることが伺える。

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