デモで知るAI PCの実力
画像生成も爆速化
NPUの搭載やCPUコア/内蔵GPUのパフォーマンスアップも含め、Meteor LakeはまさしくAI PCにふさわしいCPUといえるだろう。しかし、そんなMeteor Lakeを採用したAI PCとは、実際のところAI処理においてどの程度のパフォーマンスを発揮できるのだろうか。
今回インテルでは、報道機関向けにMeteor Lake搭載PCのデモンストレーションを実施。「Stable Diffusion」、「Audacity」、「Microsoft Teams」における従来のPCとの差を比較できた。
Stable Diffusionのデモでは、Meteor Lakeの「Core Ultra 7-155H」と前々世代の「Core i7-1260P」をそれぞれ搭載したPCと比較。32回のサンプルステップ数を指定し、それぞれで画像を生成する時間を比べている。
Stable Diffusionでは、Core Ultra 7-155HはCPUとGPUに加えてNPUも処理に使うことができる。Core i7-1260PはNPUを持たないのでCPUとGPUのみになる。
Core Ultra 7-155H側は、dGPUなしでも20秒程度で処理を完了した。同時に生成を開始し、Core Ultra 7-155H側が処理を完了した時点では、Core i7-1260P側の処理はまだ32ステップのうち7ステップ。Core i7-1260Pより5倍近い速度で終わっているのは興味深い。
続いてAudacityでは、音源の生成速度を比較する。比較対象は同じくCore Ultra 7-155H搭載PC vs Core i7-1260P搭載PCの構図だ。今回はどちらもCPUとGPUのみで処理を行っている。
Core Ultra 7-155H側が処理を完了した時点で、Core i7-1260P側の処理は約半分といったところ。Stable Diffusionほど差がつかないのは、NPUの有無によるものだろうか。
Microsoft Teamsでは、2台のPC間でビデオ通話をつなげ、自動背景ぼかしを使った際の消費電力を比べている。今回はCore Ultra 7-155Hと、8コア/16スレッド、最大4.7GHzの他社製CPUを搭載したPCでの比較となる。
写真はパワーメーターのアップ。1番下の数値が、1時間程度連続で稼働させていた状況での累計消費電力とのこと。Core Ultra 7-155H側は88953mWh、もう一方は157067mWhと1.8倍近い差がついている。他社製CPUはCore i7-1260Pとそれほど変わらない消費電力のはずなので、NPUの電力効率の高さが出たのかもしれない。
そのほか、Wi-Fi 7の速度計測や「インテル Unison ソリューション 2.0」の機能紹介のデモも行なわれた。
Wi-Fi 7のテストは、密閉した特殊なテスト装置内でのみのものだが、およそ4.5Gbpsの近い高速な通信速度を発揮。インテル Unison ソリューション 2.0のデモは、タブレット端末を無線でサブディスプレーとして使用する機能を見られた。
今回のデモを通して、Core Ultra 7-155Hの実力を見ることができたわけだが、これらはどれもローカル上でのAIのパフォーマンスを見るものであり、マシンによって顕著な差が見られたのが印象深い。
今後、ローカル上でAIを活用することは仕事でも日常生活でも増えていくだろう。だからこそ、高速・省電力にAIを使えるAI PCには需要がある。