柳谷智宣のkintoneマスターへの道 第113回
8社のブースで注目の製品について聞いてきた
幕張メッセで「サイボウズデイズ2023」開催! 注目ブースを突撃取材
2023年11月24日 11時30分更新
2023年11月8日から9日、幕張メッセにてサイボウズの年次イベント「Cybozu Days 2023」が開催された。kintoneをはじめサイボウズ製品と関連するプロダクトのブースが多数設置され、多くのセッションも行なわれた。
今年のテーマは「マジカルDXツアー ~DXへの魔法を学ぶ2日間~」で、相変わらずド派手な会場に仕上がっていた。しかも今回は従来よりも大きい会場になって、ブースの数は100社以上。来場者も多く、どこも盛り上がっていた。今回は、初日での注目のブースの様子をレポートする。
トヨクモ:多様なkinton関連サービスを手掛けるトヨクモは新機能に注目
kintoneユーザーが成功事例を披露するイベント「kintone hive」の多くの登壇企業が導入するトヨクモ。CMで朝日奈央さんが“カンターン、トヨクモ”とダンスをするのは「安否確認サービス2」だが、実はkintone関連サービスを多く手掛ける。
ウェブフォームからkintoneにデータを格納できる「フォームブリッジ」やkintone内のデータをウェブページとして公開できる「kViewer」、kintone内のデータを好みのデザインで帳票化できる「プリントクリエイター」、アプリ間での集計を行なえる「データコレクト」などのサービスを提供する。
トヨクモ代表取締役社長/CEO 山本裕次氏は「新機能で注目されているのは、パスワードレス認証で簡単にユーザーを管理できる“Toyokumo kintoneApp認証”ですね。あとは、来月リリース予定の“仮想待合室”についても聞かれます。大人数が同時にアクセスしてきた場合、仮想待合室に案内し、待ち時間の目安を確認できるものです。製品では“フォームブリッジ“の質問が一番多いですね」と説明してくれた。
「今年のサイボウズデイズは盛り上がっていて、周りの勢いも凄いですね。トヨクモももっとがんばろうと感じました」と付け加えた。
アールスリーインスティテュート:カスタマインに来場者が釘付け
アールスリーインスティテュートは、kintoneをノーコードでカスタマイズできる「gusuku Customine(グスク カスタマイン)」を提供している。日々できることが追加されており、カスタマイン一つあれば、大体のニーズに応えられるとのことだ。
ブースではミニセミナーも開いていたが、その間は近づけないほどの人だかりだった。なんと、カスタマインのデモを136個作り、興味のある番号を言えば実演して見せてくれる。これには来場者も釘付けだ。
アールスリーインスティテュートの金春利幸氏は「今回、136個作ったカスタマインのデモが好評でつねにブースがいっぱいという感じです。サイボウズデイズも、去年より圧倒的に人が多くて、とてもいい感じだなと思います。今回、ストライプさんと一緒に共同ブースも出展しています。最近、カスタマインとストライプが連携して、kintoneを経由して決済処理できるようになりました」と語る。
ジョイゾー:新サービスのSansan連携と伴走サービス「ジョイとも」
ジョイゾーは今年で定額制対面開発サービス「システム39」の10周年だという。この10年で1250件の採用実績を積み重ねた。
今回は2つの新サービスを紹介していた。まずは11月6日にリリースされた「Sansan Data Hub連携プラグイン」。企業向け名刺管理「Sansan」の「Sansan Data Hub」機能とkintoneをノーコードで連携させるサービスだ。名刺情報に帝国データバンクや国税庁が持っているリッチデータを付与する。
ジョイゾー代表取締役社長の四宮靖隆氏は「たとえば、ジョイゾーという企業があったら、国税庁のデータや帝国データバンクのデータから、社員規模や売り上げといったリッチデータがkintoneに入ってきます。それを基に、このくらいの規模の会社にセールスをかけるとか、ChatGPTにその情報を読み込ませて受注確度が高そうな企業をリストアップさせたりできます」と説明ししてくれた。
もう一つ、「ジョイとも」という伴走サービスもスタート。こちらはkintoneの使い方といったサポートだけでなく、IT全般の相談に乗ってくれるという。チャットサービスが欲しいなら、企業文化に合わせてSlackやLINE WORKSを紹介する。さらにIT活用だけでなく、実践ノウハウを提供し、企業文化を一緒に作ることもする。
「ブースのセミナーもたくさんの人に集まっていただいています。すでに、サービスの申し込んでいただいた人数が過去最高ペースになっています」と笑顔の四宮氏だった。
M-SOLUTIONS:生成AIとkintoneとの連携サービス
M-SOLUTIONSブースでは「Smart at AI for kintone Powered by GPT」に注目。生成AIであるChatGPTとkintoneを連携させるサービスだ。OpenAIもしくはMicrosoft AzureのAPIを利用し、ChatGPTの機能を利用する仕組で、無償版と有償版を両方用意しているのもすごい。
管理者がプロンプトを設定すると、kintone内のデータを差し込み、APIに投げて、返ってきた値を生成する。たとえば、営業のスクリプトやブログ記事、商品説明書などを作成してもらったり、マーケティング戦略を立てたり、年次計画を要約してもらったりできる。
基調講演にも登壇したM-SOLUTIONS 代表取締役社長の植草学氏は「有償版にはアプリテンプレートを40個くらい準備していて、アプリとプロンプトのテンプレートによりすぐに活用いただける。ChatGPTに社内の情報を入力しにくいという場合は、有償版の機密フィルター機能で、個人情報やメールアドレス、顧客の名前などにフィルターをかけることもできます」とアピールした。
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