騙されるのは送付先ではなく……
そこで登場するのが、特定のショップに「高評価」をすることで見返りの利益を得ようとする集団です。これこそがブラッシング詐欺の首謀者で、いわゆる「サクラレビュー」をすることが目的です。
しかし「高評価」をするには、まずは評価する権利を得なければなりません。最近のECサイトでは、当然ながら誰でも評価するボタンを押すことはできません。そのECサイトのルールに則って、きちんと品物を購入して配送まで至ったという証拠となる履歴が必要です。
おすすめの関連記事
年末に向けて悪質なショッピングサイトに注意
そこで詐欺師たちは、いくつも用意したアカウントで、とても安い商品、場合によってはサクラレビューを依頼したショップ側があえて用意した、一般のお客さまが買おうともしないような商品を購入し、どこかに送りつけて「評価する権利」を得てはそのショップに「高評価」を与えているのです。
つまり、詐欺師が騙しているのは送りつけられた人ではなく、ショップの利用者というわけです。
先にも触れましたが、ブラッシング詐欺では送りつけられた人は特に金銭的な被害を受けることはありません。ただ、自分の住所がどこからか漏れているという不安感は生じることになります。どこか心がモヤモヤするのは否めないでしょう。そういう意味では被害者ということになるかもしれません。
なお、こういった知らない荷物が送りつけられた場合は、冷静になってまずは受け取りを拒否することが重要です。ただ今回のように家族が受け取ってしまったような場合は、14日間保管した後で自由に処分してかまいません。
中身の商品についても、支払いが発生しないのであれば特に気にする必要はないでしょう。開封する必要すらありません。
ということで、今回の投稿者さんの知人が経験したブラッシング詐欺、結果的に対処方法は正しかったといえるでしょう。もはや我々の生活に欠かせないネットショッピングだけに、利用者を騙そうとするようなショップには出会いたくないものです。
あなたのとっておきの「ヒヤッと/ホッとした話」を共有してください
この連載では、アスキーのYouTubeチャンネル特番「ネットでヒヤッとした話~アスキー×マカフィー」からスピンアウトした、「思わずヒヤッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介しています。
ご自身あるいはご家族が遭遇した体験談、はたまた友人知人から聞いた話でもOK。純粋(?)なサイバー攻撃から、ネットで交流する上でのリテラシーにまつわるイザコザまで広くお待ちしています。ご応募はこちらから!
この連載の記事
-
第42回
デジタル
最新詐欺「ビッシング」の自動音声に騙されそうになってヒヤリ! -
第41回
デジタル
サブスクが自動更新!? 実はキャンセル手続きがフィッシング詐欺でヒヤリ! -
第40回
デジタル
インプレゾンビよ静まれ! 災害時の情報収集にヒヤリ、を通り越して失望…… -
第39回
デジタル
謎の急増!? 突然押し寄せてきた大量詐欺メールにヒヤリ -
第38回
デジタル
有名人を使って騙す「SNS型投資詐欺」にヒヤッのちムカッ -
第37回
デジタル
公共料金が未払いだと嘘をつくフィッシング詐欺メールにヒヤリ! -
第36回
デジタル
親戚宅のWi-Fiルーターが脆弱性でニュースになった製品でヒヤリ! -
第35回
デジタル
我が家の緊急連絡網がスカスカでヒヤリのち諦観 -
第34回
デジタル
母が詐欺メールに気づかないお人よしでヒヤリ&衝撃 -
第33回
デジタル
深夜までスマホどっぷりの甥っ子・姪っ子……ノンコントロールな様子にヒヤリ -
第32回
デジタル
ブラウザ操作を妨害する不快な「サポート詐欺」にヒヤリ&イラリ - この連載の一覧へ