ネットで「ヒヤっとした話」を集めよう 第49回
フィッシング詐欺で口座が乗っ取られる!?
結論。すべて疑え! 証券会社からのメールはヒヤリとしながらスルー推奨
2025年05月23日 07時00分更新
証券会社口座の乗っ取りで大騒ぎ!
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第49回。
今回は「証券口座乗っ取り注意喚起『このメールって本物じゃないよね?』でヒヤリ」というお話をお届けします。
証券会社(っぽい)メール、ヒヤリとしながらもゴミ箱直行!
証券口座の乗っ取りがニュースになっていますが、先ほど私が使っている証券会社の名前で、どう考えても怪しいメールが届きました。
一瞬ヒヤッとしましたが、よく読むと「あなたは乗っ取り事件関係の銘柄を保有しているので資産利用を制限しました。再開するには本人確認が必要」という内容で、いきなり利用制限からの本人確認というコンボがフィッシング詐欺のあるあるネタ過ぎるので、余裕をもって「おっ、ごみ箱行きだな」と判断できました。
今回のヒヤリ案件は、最近世間を賑わせている「証券口座の乗っ取り事件」に関係するものです。
投稿者さんもすでにご存じのように、2025年に入ったあたりから日本国内では“謎の第三者に証券口座が乗っ取られ、勝手に株を売買された”というケースが急増しています。
金融庁が2025年5月8日に発表したデータによれば、2025年1月から4月末までの約4ヵ月間で、証券口座の乗っ取りを起因とする不正取引件数は3505件、被害総額は約3050億円に達しているとのこと。しかも4月だけで2746件/約2800億円と、被害が爆発的に拡大している、ということで各所から注意喚起が発表されています。
この証券口座乗っ取りの手口は、やはり「フィッシング詐欺」によるものとの疑いが濃厚です。有名な証券会社を名乗る偽メールが届き「緊急でユーザーIDとパスワードの確認が必要」といった文面でニセモノのWebサイトへ誘導し、ユーザー情報を抜き取ってしまうという手法です。
そして、乗っ取る側の大きな目的は「不正な株価のつり上げ」です。
フィッシングを仕掛けるサイバー攻撃者は、乗っ取った証券口座で被害者の保有する株を売り払い、その資金で主に中国企業の株や、流動性の高い小型株を大量に購入します。
その銘柄は(おそらく)攻撃者自身が所有していて、不正な購入で株価を急激に引き上げた直後、自分の口座で高値で売り抜けて利益を手にすると見られています。

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