思わずヒヤッ、そのあとホッとした体験教えて!
ASCII.jpのYouTubeチャンネル特番からスピンアウトした「思わずヒヤッと/ホッとした、ネットにまつわる怖い話」を紹介する連載第31回。
今回は「海外から送りつけられた謎の荷物、そのカラクリを知ってヒヤリ」というお話です。
実害はあまりないけれど……ブラッシング詐欺の気味悪さにヒヤリ
1年ほど前のことでしょうか。知人宅にいきなり謎の小包が届いてちょっとした騒ぎになりました。
本人不在のときに家族が受け取ってしまったとのことで、中国から送られてきたと思われる荷物なのですが、通販会社の名前もわからなければ、もちろん中身が何なのかも一切わかりません。何か中国語で書かれていますが、読めないしあまりに雑な梱包を見れば見るほど解読する気も起きず。
なので最終的に開封することなく捨ててしまったとのこと。その後、ニュースなどで詐欺の一種だと知ってヒヤッとしたそうですが、本人は特に実害もなかったので貴重な経験をしたのかな、ぐらいに思っています。でも住所ってなぜ漏れているのだろう……?
今回のヒヤリ案件は、いわゆる「ブラッシング詐欺」と呼ばれるもの。「詐欺」というと、もちろん騙す詐欺師がいて、騙される被害者がいる……という構図ですが、このブラッシング詐欺についてはちょっと変則的です。
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どういう仕組みかをざっくり説明しましょう。まず、今回のお話のように、自分で注文したことのない品物が突然届きます。多くは中国から送られてきますが、いわゆる「送りつけ詐欺」のように、知らない商品を送りつけられて代引きで料金の支払いを強要されるようなことはありません。注文した覚えもない品物が送りつけられてくる、それが基本です。
送られてくる品物はさまざまですが多くは低価格なもので、2022年頃には少量の植物のタネが送りつけられてくる事案が多かったそうです。投稿者さんの知人は荷物を開けずに廃棄したそうですが、中身はタネだった可能性は高そうです。
しかしなぜそんなモノを送りつけてくるのか? ブラッシング詐欺とは、AmazonなどのECサイトに展開している特定のショップについて、高評価を付けるための権利を得るために実施されている詐欺、とされています。
多くの人はネットショッピングした経験があると思いますが、買い物をすると後日そのショップや販売された品物について「評価」を求められることがあるかと思います。
表示と異なる商品だったり、配送が遅かったりすれば「低評価」することもできます。ショップや商品を「高評価」して、そのショップの評判が上がれば、そのショップはユーザーが検索したときに「おすすめ」リストに表示されやすくなるなど、以降の商売が有利になる可能性があります。
そして当然ながら多くのショップは「高評価」を欲しがるものです。
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