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印南敦史の「ベストセラーを読む」 第10回

『逆張り思考 戦わずに圧倒的に勝つ人生戦略』(成田修造 著、KADOKAWA)を読む

人生を上昇気流に乗せる5つの考え方

2023年11月02日 07時00分更新

文● 印南敦史 編集●ASCII

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安定を捨て、先の見えない暗闇に進むのが「逆張り思想」

 その後は紆余曲折を経て、運よく誘われたというスタートアップのクラウドワークスに入社。創業3年目には取締役になり、同年に同社は東証マザーズ(当時)への上場を果たすことにもなった。当時はまだ25歳だったというので驚きだが、取締役副社長兼COO、取締役執行役員兼CINOを経て独立。以後は複数の社外取締役などに就きながら、新たな挑戦を始めたのだという。

 経歴だけを見るならば、いかにも華やかそうではある。が、重要なポイントは、その原点が少年期の体験にあるということだ。非常に複雑な家庭環境で育ちながら、意気消沈するどころか「暗闇のなかでこそ見える光がある」という感覚を強く持つようになったのだ。

 いまは、その「光」こそが人生をおもしろく変化させ、味わい深いものにしていくと実感しているそうだが、それは経験あってこそ行き着いた発想。しかも現実問題として、なかなかそこまで考えられるものではない。なにしろ、目の前に広がっていた現実は過酷なものだったのだから。

安定を捨て、先の見えない暗闇に進む発想は、通常とは逆の考え方かもしれません。
ぼくはそれを「逆張り思考」と呼んでいます。
「逆張り」とは大勢や時流に逆らい、逆に賭けていくやり方です。
 多くの人が、常識的に考える行動やレールをあえて疑い、逆に考えてみる。逆の行動を取ってみる。そうすることで、状況を好転させ、想像以上の充実や果実を手にする。それが「逆張り思考」の本質です。(「プロローグ」より)

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