新宿住友ビル会場のイベントスペースでIT記者が驚いた体験の数々
AR/VRやメタバース体験しまくり 今年のスマートシティフェスタもすごかった
提供: 東京都
西新宿で最先端のテクノロジーを体験! 東京都は、10月13~15日、「スマートシティフェスタ」を開催した。ここでは、新宿住友ビル 三角広場のイベントスペースで体験した最先端のテクノロジーや取り組みをレポートしよう。
3Dアバターでゲームしたり、気球で絶景を眺めたり、遊具を置いたり
スマートシティフェスタは、西新宿で展開されているスマートシティでの利用を想定した最先端テクノロジーを体験できるイベント。昨年も、自動運転やAR/VR/MR、メタバース、ロボットなど、西新宿に実装を目指すサービスが数多く体験できるようになっており、5000人近くが参加したという(関連記事:自動運転やXR、デジタルツインまで もう未来じゃない西新宿のスマートシティ)。
今年は新宿住友ビルの三角広場イベントスペース、東京都庁の都民広場、新宿中央公園 水の広場など複数の会場で展示やステージが展開されていた。同時開催の「FUN MORE TIME SHINJUKU」では4号街路、12号街路でもイベントや展示、出店も行なわれていた。取材した平日の金曜日は好天にも恵まれ、多くの会社員が会場に顔を出していた。
さて、最初に体験したのは、ボディスキャナーで自分自身の3Dアバターを作れるというPocket RDの「AVATARIUM(アバタリウム)」だ。通常数ヶ月かかる3Dアバターデータが、ここではおよそ10~15分で作れ、さらに格闘ゲームでも遊べるということで、体験しない選択肢はない。28個のカメラが搭載された証明写真の撮影ボックスのようなボディスキャナーに入り、直立で両手を伸ばしたAポーズと言われる姿勢で撮影する。
ブースに再訪すると、自分の3Dアバターが格闘ゲームの準備をしていたので、さっそくプレイ。キャラクターが自分の真顔というシュールなゲーム環境が、めちゃくちゃ面白い。必殺技を食らうと、自分も痛みを感じる(気がする)。オンラインイベントの参加体験を圧倒的に向上してくれる仕組みだと思った。
続いて体験したのは、VR空間上の気球で空を飛べるコスモバルーン(ダイナモアミューズメント企画制作、ハシラス開発)だ。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)をかぶって複数人で気球に乗り、空から絶景を体験するというエンターテインメントなのだが、手すりをつかみ、さらに前から風が吹いてくるので、びっくりするほど臨場感がある。ドローンで撮影した絶景映像は、ご当地映像に差し替えられるので、次はぜひ西新宿の上を周遊したい。
西新宿を飛べると言えば、昨年も話題になった大成建設の「シン・デジタルツイン」も忘れてはいけないだろう。データを元に、デジタル空間に西新宿の空間を精緻に再現したシン・デジタルツインは、ますますバージョンアップ。まずは建物の中に入れるようになったので、デジタル上のキャラクターは外からホテルまで入ることができる。観光客が使ったら、西新宿を迷わずに歩けるかもしれない。
また、風や熱、音などのデータもインプットされており、見える化できる。そのため、西新宿上に空飛ぶ車を走らせたら、どんな影響が出るのか、フットサル場に囲いを付けたら、どんな防音効果が得られるのかなど、都市計画のシミュレーションも可能になる。実際に大成建設が地元の小学校と行なったワークショップでも使われ、新宿中央公園にどんな遊具を置くかで、子どもたちも大いに盛り上がったという。
仮想的に動物に触れたり、難聴を取り巻く風景を体験したり、スマートグラスで楽しんだり
触れる動物園として「新宿感触動物園 HAPTIC ZOO」を展示していたのはモーションリブ。触れると言っても、もちろん会場にリアルな動物がいるわけでもない。ではどうやって?というと、画面の中の動物に触ったような感覚を味わえるのだ。
もともとモーションリブはロボットに人のような触覚や力加減を与えることができる「リアルハプティクス®」という制御技術を開発・販売しており、すでに130近い事例があるという。この技術を利用すると、遠隔で動いているロボットが、硬いモノをつかんでいるのか、柔らかいモノをつかんでいるのかの感覚を手元で感じることができる。今回の新宿感触動物園では、スマホ内に現れるワニの鼻や尻尾に触れることができたが、感触が戻ってくるので、不思議な体験だった。
VR活用例として、シー・エヌ・エスによる「DeafVR」にも注目したい。6つのシチュエーションで難聴を擬似的に体験できるコンテンツが用意されており、誕生日を祝われている難聴の女の子を体験してみたが、聞こえるのは最後に近づいてきたお父さんの声だけ。親は健聴者なので、聞こえない自分では状況から察することしかできず、せっかく誕生日なのに、なんだかとても切ない気持ちになった。耳栓よりもリアルな体験としてDeafVRを開発し、「聞こえない・聞こえにくい」体験を社会や企業に届けているという。
デバイスメーカーとしては、スマートグラスを展開するXREALも展示を行なっていた。新モデルの「XREAL Air 2」のほか、3段階の調光機能を持つ「XREAL Air 2 Pro」を体験していたが、みなさん一様に驚いていたよう。USB接続したゲーム機やPC、スマートフォンから出力したゲームや映像コンテンツを投影される330インチという巨大なスクリーンで楽しめる。サングラスのような違和感のないデザインも魅力で、実際にかけてみるとかなり軽いのに驚いた。
屋外にも心地よいスペースとステージ さて次の展開は?
さて、ずっと屋内やVR空間にいるのも飽きるので、三角ビルの外にも出てみよう。都庁と三角ビルの間にある4号街路には、「ウォーカブルなまちづくり展示」として、さまざまなスペースや家具が設置されており、みなさん思い思いに心地よい秋の西新宿を楽しんでいた。昨年と同じく、自動運転のバスも運転されており、すっかり西新宿になじんだ気がする。
そして、新宿中央公園 水の広場には特設ステージとブースが設置されていた。私が訪れたときは、先ほど紹介したコスモバルーンのリアル体験の秘密を説明してくれるというセッションが行なわれており、会社員らしき人たちが話に聞き入っていた。
ということで、今年もスマートシティフェスタの展示をレポートしてきた。昨年に引き続き、AR/VRやメタバースの体験ブースが多く、IT記者としても驚くくらい最先端の体験ができた。正直、これらのテクノロジーがどのようにスマートシティと結びついていくのかは未知数なところはあるが、適切な用途がうまくマッチングできれば、西新宿ならではのユニークな街体験が早々に実現できそうだ。
なお、西新宿のスマートシティプロジェクトでは、意見収集やニュース配信のためのLINE公式アカウントを用意している。興味があるユーザーはぜひ登録してもらいたい。
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