Adobe Creative Cloudの主なアップデート
●Adobe Firefly
Adobe Firefly Image 2(Bate)へのアップデートで「テキストから画像生成」が強化された。提示された参照画像を選択するか、自分で画像をアップロードして、特定のスタイルを反映した共通点のある画像を複数作成できる「生成Match」、絞り、シャッタースピード、視野角など、生成された画像に対して、カメラのマニュアル撮影時のような設定変更を可能にする「写真設定」、テキストプロンプトの入力をサポートする「プロンプト候補」が追加。また生成した画像をライブラリに保存して、共有や連携が可能に。
●Adobe Illustrator
Adobe Firefly Vector Modelによる「テキストからベクター生成」(ベータ版)が導入され、テキストプロンプトからアイコン、シーン、パターンなど、編集可能なベクターグラフィックスの生成が可能に。またAdobe Fontsから類似のフォントを識別して、編集可能なテキストにできる「Retype」(ベータ版)、画像やグラフィックをリアルな外観の商品写真やモックアップに簡単に変換できる「モックアップ」(ベータ版)、ブラウザーベースのAdobe Illustrator web版(ベータ版)も利用できる。
●Adobe Photoshop
Adobe Firefly搭載のAdobe Photoshop web版が一般提供され、Google Chromebook Plusデバイスでも利用可能に。
●Adobe Express(プレミアプラン)
プレミアムプランで、Adobe Fireflyを用いたAI機能が多数利用可能に。Adobe Firefly Design Modelを用いた 「テキストからテンプレート生成」(ベータ版)では、テキストプロンプトですばやくテンプレートを生成し、そのままAdobe Expressで編集ができる。
またAdobe Photoshopと同様の「生成塗りつぶし」も利用可能に。クリエイティブ内のコピーや文言を45以上の言語でローカライズできる「翻訳」機能も追加された。
●Adobe Lightroom
写真にぼかし効果を適用できる「ぼかし(レンズ)」が追加されたほか、「HDRに最適化」でHDR写真の編集や書き出しが可能に。モバイル版のツールバーでは、よく使用される機能が優先的に表示されるなど、より直感的な操作が可能になった。
●Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere Proからキャプション、ハッシュタグ、キーワードを追加して、Facebook、YouTube、TikTokに直接動画を公開することが可能に。さらに「共有」ボタンからFrame.ioにアクセスができるようになった。キーノートでは、フィラーワードや空白の検出など、「文字起こしベースの編集」の最新アップデートについても改めて紹介されていた。
「Adobe MAX 2023」ではこのほか、Adobe Fireflyを中心にAdobe Creative CloudやAdobe Express、オンラインマーケティングツールのAdobe Experience Cloudを統合。企業が様々なコンテンツをより簡単に制作、配信でき、顧客とのリレーションシップを構築できる総合プラットフォーム「Adobe GenStudio」も公開された。
生成AIの台頭でさらに注目される著作権やフェイクへの対策について、アドビを中心にデジタルコンテンツの来歴の記録に取り組む「コンテンツ認証イニシアティブ(CAI)」がアップデートを公開。ブラウザーに拡張機能を追加することで、ユーザーがコンテンツ認証を確認できる新たなしくみや、写真だけでなく動画データへコンテンツ認証を記録する取り組みなども展示されていた。
このほか次世代の新機能のアイデアを紹介する「MAX Sneaks」でも、生成AIを用いたプロジェクトが多数プレゼンテーションされた。中でも「Project Stardust」は、AIを用いて任意の被写体をオブジェクトとして自由に動かしたり、足りない部分を生成できるというもので、次世代のPhotoshopが楽しみになる内容だった。生成AIによってクリエイティビティ未来はどう切り開かれていくのか、引き続き注目していきたい。