このページの本文へ

指タッチで決済や年齢確認まで 日立が考える地域DXとは?

2023年09月26日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2023年9月20日・21日の2日間、日立製作所は自社イベント「Hitachi Social Innovation Forum 2023 JAPAN」を開催した。4年ぶりのリアル会場での開催となった東京ビッグサイト会議棟の展示会場では、同社が注力する地域DXの施策を体感できた。

内覧会にもかかわらず、多数の参加者が会場を埋め尽くした

地域創生やスマートシティは実証実験が続々

 東京ビッグサイト 会議棟の展示会場は「サーキュラーエコノミー」「サステイナブル経営」「脱炭素・カーボンニュートラル」「イノベーション創出」「産業・都市のDX」「幸せな生活・ウェルビーイング」の6つのテーマに分かれて、テクノロジーと社会イノベーション事業の取り組みについて展示が行なわれた。

 このうち半分近くのスペースを確保していたのは実は産業・都市のDX。地域振興(観光DX)、次世代店舗(店舗DX)、データ利活用(業務DX)の3つのテーマで、地域創生やスマートシティの取り組みが披露されていた。

 「CO-URIBA」という小型無人店舗では、縦長のディスプレイで本人認証を行ない、そのまま商品をピックアップすれば、決済まで完了する。顔認証が決済手段とひも付き、さらに航空会社のマイルや地域通貨などとも連携する。また、福島県の玉川村を例にしたサイネージでは、AIアバターがオススメのお土産をリコメンドしてくれる。生体認証で手軽に買える体験の気軽さから、ついつい購入額も増えそう。顔や声を用いた感情分析も可能なので、接客中の相手の満足度もわかるとのこと。

無人店舗のCO-URIBAでお土産販売

AIアバターによるおみやげのリコメンド

 先月は日立と東武鉄道が生体認証による共通デジタルIDプラットフォームを構築すると発表したが、第一弾の取り組みで用いられる生体認証を用いたセルフレジも披露された。こちらは指静脈認証を使った決済で、TOBU POINTの付与も可能。個人情報とひも付いているため、店員なしで年齢確認が可能で、酒類なども購入できる。指静脈、顔など複数の生体情報を統一したプラットフォームで扱えるのも大きな特徴だ。

指静脈認証で決済とポイント付与、年齢確認まで

 現在、日立は日本のさまざまな自治体と連携して、実証実験とソリューション展開を進めているところ。「人口6500人の玉川村と、160万人の福岡市では課題はまったく違う。地域の課題にあった取り組みを支援していきたい」と担当者は語る。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード