グーグルは9月11日(現地時間)、AIの責任ある開発への取り組みを推進する「デジタル・フューチャーズ・プロジェクト(Digital Futures Project)」および、シンクタンクや学術機関に助成金を提供する2000万ドル(およそ29億円)の「Google.org fund(基金)」を立ち上げたことを発表した。
AIがすべての人に利益をもたらすように
AIは私たちの生活を便利にし、病気の予防や自然災害の予測といった複雑な課題に対処する可能性を秘めている一方、公正さや偏見、誤った情報、セキュリティーなどの問題も多数存在している。
グーグルはこのプロジェクトを通じて研究者を支援し、AIの責任ある開発を促進するための公共政策ソリューションに関する会議を開催して議論を促進していくという。
また、プロジェクトの一環として、グーグルの慈善事業部門「Google.org」が設立した2000万ドルの基金は、様々な視点や専門知識を持つ人材を支援し、以下のような問題を探求する。
・世界の安全保障
AIは世界の安全保障にどのような影響を与えるのか。制度や企業の安全保障を強化するためにどのように活用できるのか。
・労働と経済
AIは労働と経済にどのような影響を与えるのか、政府はAIをどのように活用して生産性と経済成長を高めるのか。
・ガバナンス構造と業界横断的取り組み
責任あるAIイノベーションを最も効果的に促進する方法は。
なお、ファンドの最初の助成先として、「Aspen Institute(アスペン研究所)」「Brookings Institution(ブルッキングス研究所)」「Carnegie Endowment for International Peace(カーネギー国際平和財団)」「the Center for a New American Security(新アメリカ安全保障センター)」「the Center for Strategic and International Studies(戦略国際問題研究所)」「the Institute for Security and Technology(安全保障技術研究所)」「Leadership Conference Education Fund(リーダーシップ会議教育基金)」「MIT Work of the Future」「R Street Institute(Rストリート研究所)」「SeedAI」が発表されている。
グーグルはこのプロジェクトと基金が「学術界や市民社会全体の多くの人々を支援し、AIがすべての人に利益をもたらすよう、独自の研究を進める」ことを望んでいるとしている。