発言の自由度も転職の理由 いまや海賊版サイトの話もできる立場
大谷:服装的にはコミュニティイベントでもジャケットはおる亀田ルックは健在ですね
亀田:でも、デニムはやめました。障害対策やセキュリティがメインだったりするので、服装的にもそこはあまりラフにならないように、チノパンにしています(笑)。
大谷:今、Cloudflareってどれくらいの規模なんですか?
亀田:グローバルでは3200名ですが、日本では50名を超えたくらいです。実はグローバルからすると、日本ってCDNも、セキュリティも、重点的な投資地域とされており、先ほどの50名中、去年は30名増えているんです。
従来から弊社を支えてくれていたスモール・ミディアムのお客さまの案件をこなしつつ、エンタープライズのビジネスをこなせる体制を作ろうとしています。たとえば、法務や契約を日本でまかなえるようにするとか、NDAを日本語で修正できるようにするとか、広報関係もそうです。
あと、AWSが日本に受け入れられた理由の1つに、先ほど話したVPC、EC2・S3の技術的な優位性に加え、早い段階で24時間365日のサポートを提供したことにあると思っています。だから、弊社でもいち早くその体制を構築しようと、いろいろな人とやりとりしています。
大谷:そういうところまで亀田さんが口を出せるのはいいですね。
亀田:AWSでのこうした経験を受け入れてくれているので、やりがいありますね。とにかく足りない部分を急ピッチで補っています。だから、スタートアップ感あって楽しいですよ。ひっちゃか、めっちゃかですから(笑)。
大谷:改めて今回の取材を振り返ると、亀田さんがけっこう自由に発言しているイメージありますね。前職のときは、けっこう記事化に苦労した経験がありますが(笑)
亀田:実は転職のときに最後に気にしたのは発言の自由度なんですよ。AWSって、対外的に言っていいこと、いけないことがかなり明確に決まっていました。その結果、お客さまに話せないことはいっぱいありました。じゃあ、どこまでその制限が厳しいのか。Cloudflareは、お互いに話しあう機会を与えてくれました。
大谷:こだわりポイントだったんですね。
亀田:最終的には本国のCEOまで行きました。弊社のCEOは「Free Speech Absolutist」を自認し、言論の自由を信じている人間なので、「発言の制限なんてない。お前の言いたいことを言え」と言われました。ただ、当たり前ですが、「間違った情報を言われるのは困る」とも言われました。「しっかりした知識を得られたら、言いたいことを言え」という言質をもらった結果、Cloudflareに入社することに決めたんです。
大谷:では、入社から若干時間が経って、今回「インタビューしてもらう準備ができました」とご案内されたのですが、そういうことなんですね。
亀田:ロールプレイをこなし、複数の人のレビューを受けて、OKをいただき、めでたくメディアスポークスパーソンになったわけです。だから、海賊版サイトの話でもきちんと話せる立場にはなっています。
大谷:なるほど。それはそれで1本の記事になりそうですね。ありがとうございました!
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