Intel自作でもAMD自作でもおすすめ
1万4000円でこの性能。コスパ優秀の36cm水冷CPUクーラーを検証
今回のお題はCPUクーラー。MSIでは現在、簡易水冷CPUクーラーを複数ラインナップしており、マザーボード同様に「MEG」「MPG」「MAG」といった各セグメントに向け製品を展開している。今回扱うのは「MAG」グレードの「MAG CORELIQUID M360」。Intel LGA115x/1200/1700/2011/2011-v3/2066、AMD AM4/5、TR4に対応しつつ、36cmクラスとしては比較的手頃なモデルで、多くの方にとっても手にとりやすい価格帯の製品だ。そしてMSI製とあって、低価格であっても細部までこだわった作りも見ものである。
基本に忠実な水冷ながら各部を強化し耐久性重視の仕様
MAGグレードは質実剛健。ミリタリーテイストのデザインに、CPUクーラーの基本である冷却性能と耐久性のためのスペックを注ぎ込み、コスパよい製品ラインナップが特徴だ。
ミリタリーデザインが濃く現れているのは水冷ヘッド部分。今回はキューブっぽいヘッド形状になったが、耐衝撃風の複雑なデザインに仕上げている。中央にあるのはライトバーで、LEDイルミネーションも楽しめる。
肝心なのはCPUと接触するヘッド面の構造だ。IntelのソケットがLGA1700へ、AMDはAM5へと移行し、ヒートスプレッダの面積が大きくなったことに合わせて、大型化されている。
水冷ヘッド内のポンプには三相モーターを用いているのが特徴だ。耐久性が高く振動が少なく、長時間稼働を実現すると言う。なお、前モデルにあたる「MAG CORELIQUID 360R V2」はポンプをラジエーター上に置くというユニークな構造だった。MAG CORELIQUID M360は水冷ヘッド部分に戻ったため、各部電源やLED用のケーブル配線はよくある簡易水冷CPUクーラーと同じになった。
ラジエーターは36cmクラスでサイズ(W×H×D)が397×120×27mm。一見すればよくあるラジエーターだが、内部には12本の流路を設けており放熱効果を高めている。
ラジエーター上に搭載する12cm角ファンは、PWM対応で最大回転数2200rpm、最大風量94.65cfmと強力なものが採用されている。94.65cfmはなかなか高スペックと言えるだろう。軸部にはダブルボールベアリングを採用。振動を抑え耐久性を確保する選択とのことだ。ファンのブレードは9枚。先端には風切り羽根風のミゾが設けられている。ブレード部分がARGBによるLEDイルミネーションに対応する。
ファンのARGB端子(3ピン)はデイジーチェーンできるが、ファン電源については1to3の分岐ケーブルで接続する。ここはよくある低価格の簡易水冷CPUクーラーと同じと言える。また、ファンの回転数を抑える「NOISE REDUCER」ケーブルが付属するので、TDPが65Wの低消費電力版CPUと組み合わせる際の静音化も可能だ。
水冷ヘッド部分とラジエーターを結ぶチューブは、3層強化メッシュを施して曲げに対する強度を出している。ご想像のとおり、チューブを無理に曲げてしまい、冷却液の流れを妨げてしまうと本来の冷却性能を発揮できない。チューブを曲げたとしても丸さを保ち、冷却液の流れを妨げない構造ということだ。
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