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ゼンハイザー、よく聞くための完全ワイヤレスイヤホン「Conversation Clear Plus」

2023年08月22日 00時00分更新

文● ASCII

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 Sonova Consumer Hearing Japanは、ゼンハイザーの「Conversation Clear Plus」の国内販売を8月30日に開始する。聞きづらさのストレスを低減できるデバイス。医療用の補聴器ではないが、日常的な聴覚補助に活用できる。

SENHEISER Conversation Clear Plus

音楽はもちろん、周囲の音を聴きとりやすくする聴覚補助デバイス

 スイスのSonova(ソノヴァ)は2021年にドイツのSENHEISER(ゼンハイザー)から個人向け製品事業を買収すると発表。買収完了から1年が経った。ソノヴァはもともと医療分野に強く、フォナックやユニトロンといった世界的な補聴器ブランドを傘下に収めている。Conversation Clear Plusは補聴器で培ったソノヴァの技術を取り入れた製品だ。

 カテゴリー的には“集音機”の一種と言えるが、集音機のイメージを超える高性能を特徴としている。ゼンハイザーとソノヴァが手を携えて実現した製品だ。

SENHEISER Conversation Clear Plus

 製品はBluetooth接続の完全ワイヤレスイヤホンをイメージすると分かりやすい。“アンビエントアウェア”という言葉があるが、イヤホン内蔵マイクで周囲の音を拾い、外音を取り込む機能を持つ。つまり、完全ワイヤレスイヤホンで音楽を掛けずにヒアスルー機能をオンにした状態に近い。雑音は抑え、声や生活に必要な音だけをより聴きやすく再生することで聴覚補助に役立つわけだ。

 もちろん、スマホやタブレットを接続して音楽や映画の音を楽しむこともできる。耳の聞こえに合った5段階のプロファイル(補正カーブ)も適用でき、プロファイルの選択は、アプリでアナウンスを聞きながら、一番いいものを選ぶだけと簡単だ。

補聴器で培ったソノヴァの技術を投入

 このように、密閉性の高いハウジングとノイズキャンセル(ANC)で周囲の雑音を遮断し、声など必要な音だけを鳴らすのがConversation Clear Plusの基本的な機能だ。マイクはビームフォーミング技術で指向性を高め、対面にいる人の声に絞った集音をする。周囲の音や会話が聞き取りにくくなった中度から軽度の難聴者に役立つ製品だ。

SENHEISER Conversation Clear Plus

 同社が45~70歳の50人を対象に、デンマークで実施した調査では「95%が騒音のある場所で声が聞き取りやすくなった」と回答したという。

 本体にはソノヴァ自社開発の統合チップを内蔵。ここにDSP、コプロセッサー、メモリーなど3つのチップを集約し、省電力化を図っている。

SENHEISER Conversation Clear Plus

 動作モードは「コミュニケーション」「ストリーミング」「リラックス」の3種類で、アプリから切り替えられる。

 3つのモードのうち、常用に適するのがコミュニケーションモードだ。このモードでは周囲の騒音状況を分析(分類)して、ノイズキャンセルの効き具合やビームフォーミングマイクでとらえる音(声)の指向性、音量などを自動的に調節するアルゴリズム(オートシーンモード)を適用する。静かな場所、騒音のある場所、大きな騒音のある場所に合った最適な設定が、常に全自動で選ばれる。場所や環境が変化するたびにアプリを開き、手動で設定変更をする手間も必要ない。

SENHEISER Conversation Clear Plus

 それでも会話が聞き取りにくい場合は、スピーチ音量の調節やクラリティーブーストといった機能も利用できる。

 なお、ストリーミングモードは映画や動画を再生すると自動で切り替わるモードで通話や映画の台詞を聞こえやすくする。リラックスはノイズキャンセル機能を強めにかけ、読書などに集中できるモードとのこと。この2つではオートシーンモードのアルゴリズムは適用されないが、外音取り込みの強さは調節できる。

 バッテリー駆動時間はイヤホン単体で約9時間、ケース充電併用で最大27時間。装着性にもこだわっており、イヤーフィンとイヤーピースも3サイズ付属する。

 本体重量は12.6g(両耳)で、ケース重量は55g。Bluetooth 4.2対応でコーデックはSBCに対応。価格はオープンプライスで、店頭での販売価格は13万円強になる見込みだ。

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