このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第436回
海外旅行で5Gが使えるモバイルルーター「GlocalMe Numen Air」を東南アジアで使い倒す!
2023年08月09日 12時00分更新
自分のスマートフォンを海外で使うハードルも年々下がってきている。povo2.0が海外ローミングを開始したように、普段使っているSIMを差し替えることなく、海外で使えるサービスも拡充してきた。とはいえ、海外ローミングは費用が高かったり、MVNOキャリアの中には対応していないところもある。そこで便利な製品が全世界で使えるグローバル対応のモバイルルーターだ。
今回はGlocalMeの5G対応ルーター「Numen Air」を使ったので、レビューをお届けする。
5G対応、タッチパネルで操作しやすい
GlocalMeはvSIM技術を使ったモバイルルーターで、業界ではかなり昔から製品を展開しているuCloudlinkの製品ブランドだ。4Gのモバイルルーターは日本でも複数の製品が販売されており、OEMとしてルーターレンタル会社などが自社ブランドでも販売している。Numen AirはそのGlocalMeの最新製品で、5G通信に対応した。5Gローミング対応先では4Gより高速なデータ通信を利用できるのだ。
Numen Airの本体サイズは約151.5×68×14.3mm、重さは194gで、スマートフォンよりやや小ぶりで若干厚みがある。2.4型ディスプレーはタッチパネルで、本体操作などを指先タッチでできる。本体中央下部に見える大きな円のボタンは電源ボタンで、ボタンの周囲はLEDライトで充電状況も教えてくれる。
バッテリーは5400mAhで、5G接続時は最大12時間の使用が可能。5Gをオフにすると倍の24時間まで稼働時間を延ばせる。本体下部にはUSB Type-C端子を備え、ほかの端末を充電するモバイルバッテリー機能も備えている。また、nanoSIMカードスロットも備えており、自分で用意したSIMカードを使用することも可能だ。背面ステッカーを見ると技適マークもしっかり印刷されている。日本での利用も問題ない。
ディスプレーからは各種設定を行える。Numen Airはクラウド上に複数のSIMカードがセットされており、ネットワークの状況によりそれを自動で切り替えて使用する。「ネットワーク最適化」は海外で電源を入れたときになかなか電波をつかまないときなどに、クラウドのSIMを手動で切り替えできる。物理SIMカード切り替えは挿入したnanoSIMカードへ切り替える。設定画面では言語やUSBテザリングの切り替えが可能だ。
USBテザリングはWi-Fi環境が悪いケース、たとえば展示会などWi-Fiが多数飛んで混線しているときや、Numen Airのバッテリーを節約したいときに使える機能だ。Windows PCとUSBケーブルで接続することで利用できる。
Numen Airの基本設定をするにはiOSまたはAndroidスマートフォンにGlocalMeのアプリをインストールする必要がある。アプリインストール後は自分のNumen AirをWi-Fiで接続して登録すれば、アプリから各種設定ができる。Numen Airのタッチパネルを使うよりもより細かい設定ができるのだ。データの使い過ぎを防ぐ機能としてデータ容量制限ができるだけではなく、アプリケーションが自動アップデートする際のデータ通信を流さない設定もできる。自分が購入したデータプランやデータ使用量の履歴などもアプリから確認可能だ。
Numen Airを使うためにはあらかじめデータパッケージを購入しておく必要がある。またデータパッケージ購入時にはデータ通信回線が必要なため、スマートフォンを別途Wi-Fiに接続する必要がある。長年海外データ通信サービスを提供している企業の製品らしく、データパッケージはわかりやすく使いやすいものが多い。主要国は国別のパッケージがあるほか、エリア向けのパッケージもある。そしてNumen Airでは、5Gパッケージも利用可能だ。
日本でも利用可能であり、日本向けプランもいくつかある。4G接続で3GB 30日プランは10ドル(約1400円)。日本のMVNOの基本料金と比べても悪くはない価格だろう。しかもプリペイドのため手軽に利用できる。日本人が良く行く台湾や韓国のパッケージももちろんある。1日プランもあるため、週末旅行やトランジットにも使えるだろう。
そしてエリアパッケージは東南アジア、中華圏(中国・香港・マカオ・台湾)、中東、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカなどほぼ全世界を網羅している。パッケージの購入はクレジットカード。購入後、現地で電源を入れると使用開始となる。パッケージは購入後90日間の有効期限があるので、旅行前に購入しておくことが可能だ。
Numen Airは5GのSAとNSA両方式に対応しているため、今後各国の5GネットワークがSA方式にアップデートされても使用できる。5Gの対応バンドはn1/n2/n3/n5/n7/n8/n12/n20/n25/n28/n30/n38/n40/n41/n66/n71/n77/n78/n79と多く、ドコモが使用する4.5GHz帯(n79)にもしっかり対応。ミリ波には対応していないが、現状はこれらSub 6の周波数でも十分だろう。

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