Meng CEOは5.5Gを展望
ファーウェイは「サバイバルモード」を粘り強く続けている。
スマートフォンの世界シェアを見ると、トップ5から姿を消してしまった。一方、中国国内では2023年第1四半期、シェア6位ではあるが、その値は前年同期の6.2%から9.2%へ。市場全体が前年同期から5%縮小する中で、上位7社中、アップルとファーウェイのみが前年比でプラス成長と健闘しているのだ(https://www.counterpointresearch.com/china-smartphone-sales-fall-5-yoy-in-q1-2023-apple-on-top-with-highest-sales-share/)。
そして会社全体では、技術リーダーとして開発の手を緩めていない。現在同社で輪番会長兼CEOを務めるのは、創業者の娘であるMeng Wanzhou(孟晩舟)氏。2018年末から2021年秋までカナダで勾留されたことで一気にその存在が知られた人物だ。
Meng氏は6月末、上海で開催された「MWC Shanghai 2023」でのスピーチで、5.5Gについて語っている。5.5Gは「5Gの次のステップ」とし、下り速度10Gbps、上り速度1Gbps、同時接続台数は1000億台などの特徴に触れ、5Gと同様にIoTなど産業の用途でも重要になるとしている。3月の決算発表会では、業界標準をリードしつつ2025年以降の展開に向けて意欲を見せた。
米国の制裁により、逆に中国が技術力をつけているという見方もできるが、いずれにしても今後の動きが注目される。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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