このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第430回
よりパワフルで熱にも強くなった究極のゲーミングスマホ「ROG Phone 7 Ultimate」
2023年07月19日 12時00分更新
AirTriggerやマクロがより活用しやすくなる機能も
ゲーミングに関するインターフェースはROG Phone 6シリーズと共通しており、代表的な部分でいえば先に触れた超音波タッチセンサーを用いた「AirTrigger」や、本体を傾けたり、振ったりするなどして操作できる「モーションコントロール」などが挙げられるのだが、ROG Phone 7シリーズでは他にもいくつかの機能が追加されている。
その1つが「振動マッピング」で、これは特定の位置をタップした時に振動で触感をフィードバックしてくれるよう設定できる機能だ。スマートフォンの画面タップは基本的にフィードバックがなく、ゲーム中に指の位置がずれてボタンを押しそびれてしまうことも少なからずあることから、割り当てておくとそうしたミスを減らすことができるのではないだろうか。
そしてもう1つは「ROG Instant Master」というもの。これはゲームに応じたAirTriggerの設定やマクロ操作などをあらかじめ用意し、ダウンロードして追加できるもの。ROG Phoneのインターフェースは使いこなすと便利である一方、設定するのに手間がかかるため活用しづらいのが難点でもあったことから、とりわけゲーミングスマートフォン初心者にはありがたい機能といえる。
他にもROG Phone 7シリーズには、AI技術を活用してゲーム中のイベントなどを通知する「X Sense」や、勝利シーンなどキーとなるイベントで自動的にスクリーンショットを撮ってくれる「X Capture」などの機能が備わっている。ただ筆者がいくつかのゲームを試してみた限りではこれら機能を利用できなかったことから、対応するゲームはある程度限られているのだろう。
なお、これらゲーム中のインターフェースに関する設定をこなすのは「Game Genie」で、宇宙船のようなイメージのデザインや、ゲーム中に画面左右の上部から斜めにスワイプすると呼び出せる仕組みなどはROG Phone 6シリーズから変わっていない。またホーム画面などから呼び出し、パフォーマンスの調整やAirTriggerの感度調節などをする「Armoury Create」も、デザインや機能の多くはやはりROG Phone 6シリーズと共通している。
カメラは前機種を踏襲した3眼構成
最後にカメラと通信機能について確認しておくと、背面のカメラは5000万画素/F値1.9の広角カメラと、1300万画素/F値2.2の超広角カメラ、500万画素のマクロカメラの3眼構成。フロントカメラは3200万画素と画素数が大幅にアップしているが、メインカメラは広角カメラのセンサーもソニーの「IMX766」と共通しているようで、ROG Phone 6 Proから大きく変わっていない印象を受ける。
ただ実際に撮影してみると、従来よりくっきりとした画作り担っている印象を受けることから、ソフトウェア処理には何らかの変更が加えられていると考えられる。
カメラアプリの撮影機能もROG Phone 6 Proと共通しているようで、AIによる被写体認識やライトトレイルモードなどは引き続き利用可能だ。ただし光学式手ブレ補正などが備わっていない点もROG Phone 6 Proと共通しているので、暗所での撮影時には注意が必要だろう。
一方の通信に関しては、SIMは物理SIM(nanoSIM)×2のデュアルSIM構成でeSIMには対応していない。もちろん5Gにも対応しており、ミリ波には非対応だが日本を含むグローバルモデルではバンドn79(ドコモの4.5GHz帯)にも対応するようだ。
【まとめ】着実な進化を遂げたがワクワク感も欲しかった
まとめると、ROG Phone 7 Ultimateはゲーミングスマートフォンとして性能面だけでなく、機能面でも面でも着実な進化を遂げており、よりゲームプレイがしやすいスマートフォンに仕上がっている印象だ。とりわけROG Instant MasterでAirTriggerなどのオススメ設定をインストールできる点は、充実したインターフェースを持て余していたユーザーにとってメリットが大きいだろう。
ただ一方でカメラや、Game Genieなどのインターフェースに関しては大きな変化がなく、全体的に見ればROG Phone 6 Proと大きく変わらない印象を受けたのも確かだ。まったく新しい独特のデザインを採用した外箱で演出面が強化されてはいるのだが、実際のプレイ時にワクワク感を与える新たな仕組みも欲しいと感じただけに、次はぜひインパクトのある進化を望みたい。
ROG Phone 7 | ROG Phone 7 Ultimate | |
---|---|---|
ディスプレー | 6.78型有機EL(20.4:9)165Hz対応 | |
画面解像度 | 1080×2448 | |
サイズ | 約77×173×10.4mm | |
重量 | 約239g | 約246g |
CPU | Snapdragon 8 Gen 2 3.2GHz(8コア) | |
内蔵メモリー | 12/16GB | 16GB |
内蔵ストレージ | 256/512GB | 512GB |
外部ストレージ | ―― | |
OS | Android 13(ROG UI) | |
対応バンド | 5G NR:n1/2/3/5/7/8/12/18/20/25 /26/28/38/40/41/48/66/77/78/79 LTE:1/2/3/4/5/7/8/12/17/18 /19/20/25/26/28/32/66 /34/38/39/40/41/42/43/48 W-CDMA:1/2/4/5/6/8/19 4バンドGSM |
|
無線LAN | Wi-Fi 6E | |
カメラ画素数 | 5000万画素+1300万画素(超広角) +500万画素(マクロ) イン:3200万画素 |
|
バッテリー容量 | 6000mAh(65W対応) | |
FeliCa/NFC | ×/○ | |
防水/防塵 | △/△(IP54) | |
生体認証 | ○(画面内指紋、マスク対応顔) | |
SIM形状 | nanoSIM×2 | |
USB端子 | Type-C×2 | |
イヤホン端子 | ○ | |
カラバリ | ファントムブラック、ストームホワイト | ストームホワイト |
価格 | 12万9800円(12/256) 14万9800円(16/512) |
17万9800円 |
発売日 | 7月21日 |
この連載の記事
-
第514回
スマホ
2人同時に音楽を楽しめる青春スマホ「nubia Music」に新しい可能性をを見た -
第513回
スマホ
4万円で買えるゲーミングスマホも! コスパに優れたデザインスマホ「realme 13」シリーズがアツイ! -
第513回
スマホ
100倍望遠が実用的なスマホ「vivo X200 Pro」はカメラ性能が変わらず最強だった -
第512回
スマホ
ツァイスカメラ搭載のスマホ「vivo V40」は可変色LEDライトでポートレート撮影も得意 -
第511回
スマホ
価格も性能も妥協したくない人にオススメの王道ハイエンドスマホ3選 -
第510回
スマホ
スマホは高くない! 2万円台で買えるオススメ格安エントリースマホ4選 -
第509回
スマホ
着せ替えスマホ「CMF Phone 1」はカスタマイズが楽しいが実用面での弱点もあり -
第508回
スマホ
たたんでも極薄9.2mm! 世界最薄折りたたみスマホ「HONOR Magic V3」を試す -
第507回
スマホ
シャオミの「Redmi Note 13 Pro+ 5G」は2億画素カメラに防水防塵など必要な機能が揃って6万円以下 -
第506回
スマホ
Galaxy Z Fold Special Editonを最速レビュー! 厚さ10.6mmの薄型折りたたみスマホ -
第505回
スマホ
シャオミの折りたたみ機「Xiaomi MIX Fold 4」は閉じても9.47mm! ライカカメラ搭載の激薄機をレビュー - この連載の一覧へ