2023年7月7日、サイボウズはJR広島駅近くに新オフィスを開設した。「チームワークあふれる広島」を実現すべく、パートナーやユーザーが交流できるスペースを用意。採用も強化し、中国地方での営業活動をより一層拡大していくという。
広島駅の近くに開発・営業拠点を集約
7月7日に開所されたサイボウズ 広島オフィスは、広島駅に近い広島JPビルディングの12階に設置された。今回の広島オフィスの統合・移転により、サイボウズの国内での主要拠点は東京本社、札幌、仙台、大宮、横浜、名古屋、大阪、松山、福岡、広島の10都市になった。
新設された広島オフィスのコンセプトは「スタジアム」で、市民に開かれたスポーツチームの多い広島のように、ワクワク・熱狂感を感じられるオフィスを目指したという。また、社内外をつなぐHUB拠点として、ユーザーやパートナーが気軽に立ち寄り、交流できるイベントスペースも用意。多様な働き方を実現すべく、個室ブースや会議室を増加させ、個人でも大人数でも利用しやすいABW(Activity Based Working)を導入している。
サイボウズの広島エリアでの販売活動は2014年からスタートしていたが、営業メンバーは松山オフィス所属だったため、フェリーで広島に向かって営業活動を行なっていた。その後も、長らく出張での営業活動が続いていたが、2019年にまずは開発拠点が広島に開設。コロナ禍でのリモートワーク経験を経て、2022年に営業拠点も開設された。現在、広島を拠点に勤務するサイボウズメンバーは16名(開発8名、営業ほか8名)にまで増加しており、今後さらに採用を強化することを見越し、開発・営業拠点を統合・移転開設したという経緯となる。
採用も導入企業も伸びしろしかない中国エリア
発表会の冒頭、登壇したサイボウズ 代表取締役社長 青野慶久氏は、今回のオフィス開設について「うちの会社は転勤が強制じゃないので、この広島オフィスで働いている人は、みんなここで働きたい人。広島で働きたいという人が増えてきたので、オフィスを作った」と語る。「嫌いな飛行機を使わずに(新幹線で)東京に行ける」という理由で、松山から広島に移ってきたメンバーもいるという。
中国エリア5県でのkintone導入はすでに1300社にのぼっており、そのうち550社は広島県だ。たとえば、医療機関のワクチン数量の分配確認システムとしてkintoneを導入した広島市のほか、「ビッグカツ」でおなじみのスグル食品や地元密着型スーパーのエブリイなどもkintoneを導入している。
しかし、3万社に近づくkintoneの導入社数を考えると、まだまだ伸びしろは大きいと見る。大阪オフィスで中国エリアの案件を担当していた西尾陽平氏は、「引き合い自体は大阪にいたときからも多かったので、待っているだけではダメだと思った。しかし、広島は拠点がなかったので、サイボウズの認知はなかった」と振り返る。
西尾氏は、開発・営業で別れていたオフィスが統合されたことに関して、「フィードバックし合う場所は、ソフトウェア開発会社として重要」と語る。今回のオフィス開設にあわせて、採用も強化し、中国地方での営業活動をより一層拡大していく。フラグシップの事例を作り、まずは広島県のユーザーを1000社まで拡大していきたいという。さらに、来年はkintoneのユーザーイベント「kintone hive」が広島で初開催されることも発表された。