「普通においしい」「地味においしい」系のやつです:
今のうちに「日清ラ王 牛骨味噌」を食べておくべきである
2023年07月01日 16時00分更新
「日清ラ王 牛骨味噌」
日清食品
6月5日発売
307円(税別)
https://www.nissin.com/jp/news/11596
長く売られるかわからないんですけど
ウェブ記事というのは「スピード命!」みたいなところもありまして、午前に発表されたものが、その日の昼には記事になっているということは珍しくありません。
ということで、ASCII.jpのアスキーグルメ編集部においても、気になるニュースは早めに記事化したり、話題になっているものは速やかにレビューしたりするわけです。
コンビニやスーパーなどで売られているものは、1ヵ月程度で終売になるものもあります。発売から時間が経ってしまうと、記事にしても「もう売ってないよ」ということで、記事自体の価値がなくなってしまうことも考えられるのです。
「日清ラ王 牛骨味噌」は6月5日に発売されたもので、移り変わりの速いカップ麺業界において、新商品というにはちょっと遅いかもしれません。
なぜ、このタイミングで紹介するのか。このまま埋もれていくには惜しい、店頭にある間に食べてほしい……と筆者が思っているからです。そう、きわめて個人的な理由です。
鳥取県のご当地ラーメンとして長年愛され、全国のラーメンファンからも人気が高い「牛骨ラーメン」を、「日清ラ王」流にアレンジした商品です。
牛骨だしならではの上質な甘みと香りをきかせた濃厚な味噌スープは、“まるで、生めん”のような中太ちぢれ麺との相性がバツグンだそう。
牛脂の甘みが際立つ「特製香味牛オイル」で仕上げれば、濃厚でリッチな味わいを堪能できるとします。
具材には炙りコロチャーシュー、炒りごま、ネギ、赤唐辛子が入っています。
牛骨も味噌もインパクト大ではない
しかし、しっかりした完成度がある
どういうカップ麺なのか。友人に勧めるなら「普通においしい」と言いたくなるやつです。しかし、記事では「普通においしい」と書くと、デスクなどからボコボコにされるのでがんばらないといけません。
まず、スープ。味噌のコクが強いのですが、塩辛さは抑えめ。しょっぱい感じではなく、カドが丸い感じです。そうなると、特製香味牛オイルが味を締める決め手になるのでは、と予想できますね。
ところがこのオイル、「インパクト大!」のようなテイストではなくて、牛脂の甘味がふわりと出てくるオイルなのです。そういう意味で“牛!”という感じはあるのですが、牛骨のダシがしっかり染み出ている感じではないかというと、そうでもない。
「牛骨味噌」「牛骨と濃厚味噌の骨太なうまさ」と言っているわりに、ガツンと味噌! ドシンと牛骨! というわけではないのが予想外ではあります。ただ、しっかりとしたコクがあり、その中に牛脂の香りが漂うことで、奥深い味わいのスープになっています。
麺は“ラ王”シリーズらしく、ツルツルとしており、コシもあります。ただ、熱湯を入れて5分で完成なのですが、ちょっと早めに食べようとすると「固いな!」と感じるかもしれません。なんだったらちょっと伸びてもいいんじゃないかなと思うぐらい。
具材に関しては、炙りコロチャーシューがよくできてるんですよ。小さいけど、歯ごたえもあるし、“炙り”というだけのジューシー感もあります。これが、コクのあるスープとベストマッチ。炒りごま、ネギ、赤唐辛子は、まあ「入ってますね」という具合ですけど……。
なんというか、「ここがすげ〜!」みたいなカップ麺じゃないんですよね。めちゃくちゃ味噌が濃いとか、牛骨のダシ感がすごいとか、具材が超リッチとか、そういうわかりやすさがない。でも、しっかりした完成度があるんですよ。
褒めるとすれば「普通においしい」「地味においしい」とかになってしまうし、おそらくすぐに復活することもないだろうし、多くの人の記憶に残るタイプじゃないとは思うんですよ。「コスパがいい!」ということもなく、逆に「これは高額すぎる!」と話題になることもないでしょう。
だからもう、「ASCII編集部の編集者の1人が個人的に気に入りました。終わり」みたいな記事なんですけど……。地味においしいので、店頭にあるうちに、ぜひ……。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
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