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モーダル小嶋の「これを食べたくなったので」 第4回

6月9日から登場している期間限定メニュー:

かつや「豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛り丼」こういうのでいいんだよ、でも濃いんだよ

2023年06月15日 16時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛り丼」
かつや
6月9日発売
869円

見た目通りのパワーメニュー

 ネットスラング……というか、常套句の一つに、「こういうのでいいんだよ」というものがあります。もし元ネタがあるとするならば、おそらく『孤独のグルメ』でしょう。井之頭五郎が注文したハンバーグランチを見て、「ほー いいじゃないか こういうのでいいんだよ こういうので」と満足するシーンがあるのですね。そのあと、店員にアームロックする有名な場面に繋がっていくのですが……。

 元ネタがどうあれ、ネット上では、「派手ではなかったり、流行ではなかったりするけれども、内容は上質で『本当に欲しいもの』が入っている」みたいなニュアンスで使われることが多いようです。

 さて、かつやは6月9日より、期間限定メニュー「豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛り」を販売しています。

 ボリューム満点なチキンカツと、ごま油がふわっと香る甘辛タレで焼き上げた厚切り豚カルビを合い盛りにしてキムチを添えたパワーメニュー。丼と定食が選べるほか、テイクアウトも用意しています。

「豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛り丼」(869円)

「豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛り定食」(979円)

 ごはんに合う要素しかない具材、堂々たる盛り付け。外見に関しては、まさしく「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるような、シンプルな力強さを感じるメニューといえましょう。

上から見ても十分に盛り付けてあります

 かつやのすばらしいところは、盛りが豪快なところです。広報画像で「ごはんが隠れるほど盛り付けてある」のに、いざ実物を見たら……というケースは、外食チェーンではたまにあることです。

 だけれども、かつやは容赦なく盛り付けてくる。店舗によって多少の盛り付けの加減はあれど、量は保証されているといいますか。そういうところにも、かつやが支持される理由があると思います。

「こういう濃さでいいんだよ」と考えるか
「こういうのでいいけど濃すぎる」と考えるか

白米が見えないほどの盛り付け

 上に乗っているものを見ていきましょう。といっても、チキンカツに奇をてらったところはありません。いつもの、かつやのチキンカツです。やや味が濃い目のソースで、白米が進む味付けになっています。

チキンカツは定番の雰囲気

やや薄いが、カツの量自体は多いので不満はない

 一方、豚カルビ焼肉はどうかといいますと、これまた甘辛の味付け。ごま油も香る、かなりガッツリ系の印象です。一口サイズに切られているので、食べにくいと感じることはないでしょう。

豚カルビ焼肉。見た目通り、キムチとの相性もよい

 豚カルビと相性が悪かろうはずがないキムチも乗せられています。チキンカツのボリュームがありますので、やや豚カルビに肩入れした(?)具材を添えて、バランスを取っているのでしょう。たぶん。

甘辛い味付けになっています

 そういったわけで、ボリュームは満点なのですが、全体的に味が濃いというか、ちょっと“ドテッ”とした味わいなのは否めないところ。

 もちろん、チキンカツも豚カルビもごはんに合いますし、一緒に口に運んでもおかしいところはない。ただ、しっかり揚がっていて濃い味のソースがかかっているチキンカツと、ごま油とタレできっちり味付けしてある豚カルビ、それぞれにパンチがある。なので、後半になると、ちょっとくどく感じるかもしれません。

 さらにいえば、チキンカツの衣も、ごま油を使った豚カルビもオイリーなので、油分が多いかなあ……と感じたのも事実です。もっとも、具材そのものにきちんとした味が付いているということでもありますので、食べごたえに関しては文句がありません。

 かつやの期間限定メニューは「こういうのでいいんだよ」と言いたくなるような、シンプルかつパワフルなものが多いです。豚カルビ焼肉とチキンカツの合い盛りもその路線ですが、「濃い」と感じるか、「嬉しい」と感じるか、そのあたりが人によって分かれるかなと思いました。

 「こういう濃さでいいんだよ」と考えるか、「こういうのでいいけど濃すぎる」と考えるか。いずれにしても見た目通りのはっきりした個性があるので、「想像と違う!」ということはないはずです。注文するかどうかは、そのあたりを考慮しておけば大丈夫でしょう。

モーダル小嶋

1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。

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