アップルのARグラス「Vision Pro」でスマホの次がハッキリ見えた! 「WWDC23」特集 第2回
好調が続くApp Store、WWDC開幕直前に知っておきたいアップルの「アプリのトレンド」
2023年06月01日 02時00分更新
次世代のデベロッパーを育成する取り組みも花開く
App Storeには、公開前にアップルのエキスパートによって実施される「App Store Review」という厳格な審査をクリアしたアプリケーションだけが並ぶルールがある。さらにアップルでは2022年に、App Storeで20億ドル以上にのぼる不正な取引をブロックし、プライバシーにセキュリティ、品質基準を満たさない170万件のアプリケーションの申請を却下したことも伝えている。これらの取り組みによって、ユーザーから厚い信頼を獲得していることもApp Storeが持続的な成長を遂げている理由だ。
今年はApp Storeが2008年に誕生してから、15周年のアニバーサリーイヤーだ。アップルは現在、App Storeで活躍するデベロッパーに向けて、アプリケーション内課金やサブスクリプションなど、ビジネスから収益を生むために必要な仕組みを整備している。アプリの開発に必要なSDKは40以上、APIは25万以上がデベロッパー向けに揃う。またDeveloper Academies、Entrepreneur Campなどアップルが開発者のために提供する開かれた教育プログラムもある。
学生を中心とする次世代のデベロッパーを応援するための施策として、毎年WWDCの開催に合わせて併催するイベント「Swift Student Challenge」の入賞者も5月30日に発表された。世界各地から学生の参加を促進するため、今年は入賞者数を350人から375人に増やした。WWDCの学生プログラムを通じてITテクノロジーの分野で多くの若いデベロッパーが成功を収めていることも見逃せない。
今回の調査レポートを受けて、アップルのティム・クックCEOは「App Storeは活気があり、機会にあふれる革新的な場所。アップルは今後もデベロッパーの成功とアプリケーション経済の未来のために、積極的な投資を続ける」と宣言している。今年のWWDCでは各OSやアプリケーションに関連する画期的な発表にも注目したい。
筆者紹介――山本 敦
オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。
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