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Windows Info 第381回

WindowsのPowerShellで画像ファイルのExif情報を扱う

2023年05月28日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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 デジカメの画像ファイルをエクプローラーのプロパティで見ると、撮影日時などの情報が表示される。

デジカメ画像ファイルのプロパティには撮影日などのExif情報が表示される

 これは、画像ファイル中のExif(Exchangeable image file format)情報などを取り出しているものだ。.NET Frameworkにも、こうした画像の情報を扱う機能があり、PowerShellから簡単にアクセスができる。ただし、Windowsは内部的には、Exifファイルを解析しているものの、すべての情報を出力することができない。それでも撮影日など主要な情報に関しては、取得することか可能だ。

画像ファイルのプロパティを取得

 画像ファイルからプロパティ情報を取得するには、System.Drawing.Bitmapクラスを使う。PowerShellならそのままオブジェクトを作ればよく、Windows PowerShellならば、Add-Typeで「System.Drawing」アセンブリを読み込む。画像ファイルを指定してSystem.Drawing.Bitmapを作ったら、「PropertyItems」プロパティを表示すればよい。

add-type -AssemblyName system.Drawing # Windows PowerShellのみ必要
$x=New-Object System.Drawing.Bitmap(".\Sample01.JPG")
$x.PropertyItems

System.Drawing.Bitmapクラスを使うことで、画像ファイルから簡単にプロパティ情報をとりだせる。この中には、Exifデータからのものが含まれている

 このPropertyItemsには、Exif 2.1で定義されたもののほかに、JPEG由来のものなど、画像ファイルから得られる情報が含まれている。ただ、残念なことにこのプロパティの出力するIdは整数のみで、Exifのどのタグかは表示されない。

 Id番号からExifのタグ名を探せばよいのだが、それには、別途ドキュメントを見る必要がある。Windowsでは、このプロパティは、GDI+が扱っているため、Microsoftのサイトに情報がある。

●Imageプロパティのタグ定数
 https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/win32/gdiplus/-gdiplus-constant-image-property-tag-constants

 ただし、これはGDI+での定義であり、Exifのタグ名とは若干の違いがある。この定義で「PropertyTagExif」で始まるものは、Exif 2.1由来のタグであるが、一部先頭が異なるものがある。たとえば、デジカメのメーカーを示すExifの「Make」タグは、「PropertyTagEquipMake」になっている。なお定義はWindowsのSDK(Windows Kit)に含まれる「Gdiplusimaging.h」に記述されている。これを入手するには、Windows Kitをインストールする。

 また、Exifは仕様書が公開されており、PDFなどで入手が可能である。現在の公式版は、Exif 2.32である。

●CIPA DC-008-2019 デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格 Exif 2.32
 https://www.cipa.jp/std/documents/download_j.html?DC-008-2019-J

 ただし、Exif 3.0が完成しており、原稿執筆時点では意見受付期間中としてドラフト版が公開されている。残念ながら、期限が終わりに近いので公開が止まっている可能性もある。

●CIPA 一般社団法人カメラ映像機器工業会: CIPA規格 WTO/TBT60日公開
 https://www.cipa.jp/j/std/draft.html

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