Twitterで話題になるGWのお出かけスポットは、圧倒的に”ライブ会場”だった!

Twitterトレンド解析リポート Vol.4「GWに話題のおでかけスポット」TOP100を発表!!

文●渡久地香緒里・大島あゆみ(エリアLOVEWalker総合研究所)

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 Twitterトレンド解析システムによる解析リポートを公表していく、エリアLOVEWalker総合研究所リポート。第四弾のテーマは、ゴールデンウィーク期間中にツイートされた「話題のおでかけスポット」。全国のおでかけスポットや地名を対象に、2023年4月29日から5月8日までの期間にTwitter上で言及された結果を発表した。さらに、コロナ禍で外出がままならなかった前年の集計結果とも比較している。

「GWに話題のおでかけスポット」2023ツイート数ランキング、TOP10の表。右端の「共起語」とは、スポット名とともにつぶやかれたキーワード。共起語が複数つぶやかれることもある。ポジ/ネガ判定は、Twitterトレンド解析システムで独自にツイートの感情分析を行った結果だ。

 イベントの開催制限の緩和をはじめ、マスク着用の考え方などが見直されたことから、久しぶりに旅行・レジャーを楽しんだ方も多くなると予想された2023年のGWだが、TOP10ランキングは上記のとおり。「さいたまスーパーアリーナ」や「東京ドーム」、「横浜アリーナ」など、音楽フェスやライブイベントが開催される会場・施設名が上位を占めた。

 「東京駅」や「富士山」など、日本を代表するスポットも上位に入るが、Twitter上ではそういった行楽関連スポットよりも、ライブイベント開催状況や、現地で体験した方を中心とした「感動」といった言葉、またアーティスト名などの感想を含んだ内容のツイートが多くなっている。

「GWに話題のおかけスポット」2022ツイート数ランキング、TOP10の表。4位の「知床(北海道)」は、「知床観光船沈没事故」の話題によりランクイン

 昨年、2022年の同様のツイート数ランキングでも、エンタメグループ「すとぷり」が公演を行なった「東京ドーム」が1位、「日本武道館」が2位で、3位のUSJを大きく上回るツイート数となり、ライブ関連の施設名が行楽地を上回った。

 なお、今年のTOP100の総ツイート数は637万4,029件に対して、2022年のTOP100の総ツイート数は518万2,709件であり、前年比で約23%と大きく増加した。コロナ禍が落ち着き、各種イベントや観光スポットの活性化が見て取れる。

ゴールデンウィーク期間中に話題となった、おでかけスポットTOP5を分析!一位はUSJ!!

 では、2023年のGW期間中にツイートされたおでかけスポットの数でTOP5に入った場所を詳しく見ていこう。ランキングの表の右端の「共起語」とは、スポット名とともにつぶやかれた言葉で、比率はそのスポットに関するツイートの中で何%、同時につぶやかれたかの割合である。複数の共起語が同じツイート内でつぶやかれることもある。ポジ/ネガ判定も、Twitterトレンド解析システムが独自にツイートの感情分析を行った結果だ。

 「GW話題のおでかけスポット」ツイート数ランキングの1位を制したのは、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」。ツイート数は222,488件。昨年度のランキングでは3位だったので2ランクアップとなった。同パークは、4月中旬より『d払い(コード決済)』を導入し、NTTドコモがTwitterでキャンペーンを実施した影響から、「感動」「d払い」「キャンペーン」という共起語が多数となった。さらに「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」では、3月1日から歴代最大級のデータイムパレード『NO LIMIT! パレード』がグランドオープン。人気キャラ「マリオと仲間たち」と「ポケモン」がパーク内のキャラクターと勢ぞろいする内容が人気を博している。

 2位は「さいたまスーパーアリーナ」。ツイート数は88,320件。昨年はTOP10圏外だった同所だが、今年は4月29日に男性ボーカルユニット『浦島坂田船』が、4月30日に『After the Rain(そらる×まふまふ)』がライブを開催。そして後半の5月3日~7日には、今年で10回目を迎えた音楽フェス『VIVA LA ROCK』が開催されたことから2位に急浮上。会場に隣接するけやきひろばでは、屋外フリーフェス『VIVA LA GARDEN』も4年ぶりに行なわれ、飲食ブースやビアガーデン、子ども達が遊べるキッズランドやワークショップなども展開された。

 3位は、東京の玄関口である「東京駅」。ツイート数は69,752件。帰省や旅行・おでかけのために東京駅を利用した方が多く、連日にぎわいを見せるなか「KITTE(丸の内)」(43位)に隣接する博物館「インターメディアテク」(48位)で開催されていた『開館10周年記念特別展示「極楽鳥」』も話題に。今年3月に館内での撮影可能エリアが拡大され、貴重な展示を入場無料で見ることができることから注目を集めた。

 4位は高級ブランド店が多く立ち並ぶ「銀座」。ツイート数は67,963件。外国人観光客にも人気の街だが、5月8日に銀座エリアの高級腕時計専門店に強盗が押し入る事件が発生。目撃者が事件の一部始終を動画撮影し、ほぼリアルタイムで投稿したことで一気に世間の注目を集めた。あまりに突然の出来事に「映画の撮影かと思ったら本当の事件だった」というような言及も拡散されたことから「映画」というワードも共起語に含まれている。

 5位は世界文化遺産にも登録されている「富士山」。ツイート数は56,571件。昨年もTOP10入りをしているワードで、これは「富士登山」としてはなく周辺からの「富士山の見える景色」に関する投稿が多い。特に今年のゴールデンウィークは、各地で天気のいい日が多かったことから、綺麗に撮影できた富士山の画像投稿が目立った。

ゴールデンウィーク期間中に話題となった、おでかけスポットTOP100

 11位以下は以下の表を参照。4月に開業した「東急歌舞伎町タワー」(22位)や、3月に開店した「アニメイト池袋本店」(40位)と、新しい観光スポットもランクインしていて、それらの注目度の高さがうかがえる。一方で7月に閉館することが発表されている「中野サンプラザ」は、昨年の91位から33位とランクアップ。“アイドルの聖地”である同所に、思い入れのあるアーティストやファンから惜しむ声が続出している。そして、5月5日に最大震度6強の揺れを観測する地震が発生した「珠洲市(石川県)」が36位にランクインするなど、時事ネタも色濃く反映された。

 角川アスキー総合研究所は2015年に、東京大学生産技術研究所喜連川・豊田研究室と、アジア圏で唯一Tweetデータの全量を取り扱うことができるNTTデータ、そしてTwitter Japanと共同で「Twitterトレンド解析システム」を開発した。それ以来、当社が持つエンターテインメント用語辞書(200万語以上)に収録されたワードをもとに、日本国内でのエンターテインメント分野に関するTweetを対象にした解析を行っている。

 解析内容としてはTweet内でのワード出現傾向の分析に加えて、Tweetテキストを対象にした投稿者の推定属性情報(NTTデータ提供)や、各種統計データなどを組み合わせた分析などを行っており、報道機関や、企業・自治体等に幅広く活用されている。なお、「Twitterトレンド解析システム」によるTwitterのリアルタイムな集計結果は、「ついラン」(https://tsuiran.jp/)でも見ることができる。

 今回の集計の詳細は以下のとおり。

集計期間:2023年4月29日~2023年5月8日、2022年4月29日~2023年5月8日
解析対象:全国の観光スポット・地名を含むツイート
抽出件数:2023年/637万4,029 2022年/518万2,709件(上位100位までの総ツイート数)

※上記集計期間中、「Twitterトレンド解析システム」にて取得したツイート1億4,914万4,448件(2023年)、1億5,150万1,005件(2022年)の中から、上記調査対象ワードを含むツイート637万4,029件(2023年)、518万2,709件(2022年)を抽出し、ツイート数順にて100位までのランキングを作成した。

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