個人的に気になったブースとクルマたち
メーカーやディーラーではありませんが、注目のクルマや展示をされているブースを3つご紹介しましょう。
まずは、国内屈指の高速サーキット「富士スピードウェイ」を運営・管理する富士モータースポーツフォレスト。近年は富士24時間レースやWEC富士など「耐久の富士」を強く打ち出していまして、耐久レースに参戦した車両を展示していました。
ベントレーは、1923年の第1回ル・マン24時間レースに唯一の英国車としてプライベート参戦し4位に入賞。その翌年からワークス体制で挑戦し優勝を果たしました。展示されている車両は1928年優勝者を再現したレプリカで、車名の「4 1/2」は、排気量が4398㏄に由来するそうです。
TS050 HYBRIDは、2016年に富士スピードウェイで開催されたWEC富士6時間レースで小林可夢偉選手がステアリングを握った優勝車両。この年のル・マン24時間レースでTS050 HYBRIDの5号車は、トップを快走するもレース残り6分でドライバーの中嶋一貴選手が「ノーパワー!」と無線で叫び、残り3分の時点で、ホームストレート上でマシンを停めたというモータースポーツ史に残る大事件が起きました。
次に、我が国が誇る高級オーディオブランドのテクニクス。なんと移動式の試聴ルーム「Technics Sound Trailer」を制作し、展示(試聴会)をしていました。確かにオーディオは機械はもちろんのこと、部屋の影響を受けますからね。期間中は定期的にレコードコンサートを実施していたほか、空き時間では自由に手持ちの音源の試聴ができました。
珍しいクルマを見たら写真を撮りたくなるものです。カメラメーカーのニコンもブースでは、カジュアルな「Zfc」とフラグシップの「Z9」という2台のカメラの貸し出しサービスを行なっていました。なんと3時間無料で試せるほか、32GBのSDカードをプレゼントという太っ腹ぶり!
ヘリテージカーも値上げが続いている
ヘリテージカーの展示販売ブースに目を向けてみましょう。近年、ヘリテージカーの金額は右肩上がり。今回も「え? こんなにするの?」と驚かされました。それではいくつかの車種をご紹介しましょう。
ポルシェ 944は、1982年、924と911SCの間に位置するパフォーマンスと価格として誕生したモデル。フロントには直列4気筒エンジンを、リアにトランスミッションを置くことで、重量バランスを改善。発売当時、944 Turboは世界一ハンドリングが良いクルマとして称賛を受けました。
写真の944ターボSはターボカップレーサーをベースとした1000台の限定車。ターボチャージャーが大型化され、250PSを発生します。現在の価格は1180万円。
ロールス・ロイス「クラウド」シリーズのベントレー版最終モデル。1962年から生産された「S3」の総生産台数は1286台、ロングホイールにいたっては「32台」が生産されたといわれています。ロールス社の新設計V8エンジンはアルミ合金製6230cc OHVで、ミッションは4速AT。ダンパー調整や、ドライブシャフトの回転からパワーを取り出し、ブレーキの効きをアシストする「メカニカルサーボブレーキ」など、当時としては先進の機能が搭載されていました。現在の価格は1580万円。
ローバー・ミニをベースに雑誌ラピタとコラボして「最後のミニで最高のミニを造ろう」とワンオフで制作した車両。クルマと最高の夏を楽しむにピッタリな雰囲気で、インテリアは上質、さらにモールトンが積載可能! リアラゲッジのドアをテーブルとして使うアイデアに感心しきり。現在の価格は585万円。
フォルクスワーゲン 初代ゴルフの4座オープンモデル。写真のモデルは89年にビッグマイナーチェンジを受けた後期型。ゴルフのオープンモデルは第2世代には設定されず、クラシックのサブネームがつけられ、3代目カブリオレの登場(1992年)まで販売される長寿モデルとなりました。Every Little Thingのボーカル持田香織さんが20歳で購入し、以後20年以上にわたり乗り続けられているのも有名な話です。現在の価格は289万円。
参考出品の形で展示されていたのは、モータースポーツ史に燦然と輝く金字塔、グループCカーの名車であるポルシェ962。そのロスマンズカラーといえば、1981年からル・マン24時間レースで4連勝を飾り、956や962といえばこの色と強く印象づけました。この962は、シュパンレーシングが作り上げた、ロードゴーイングバージョンで、ナンバー付き! 公道をこのマシンが走るとかロマン以外の何モノでもありません。ちなみに当時で2億円というプライスタグがついたとか。
こちらも参考出品という形でしたが、フェラーリ512BBが展示されていました。512BBiは1981年から1984年という短い期間に、わずか1000台ほどが生産された当時のフラグシップモデル。その頃、フェラーリはランボルギーニ・カウンタックと「公道最速」の称号で競い合っていたこと、そして日本ではスーパーカーブーム絶頂期に登場したことから、今もなお高い人気を集める1台です。
本田技研工業がS500に続いて1964年から1966年まで生産したコンパクトスポーツで、西ドイツへ初めて輸出したアジア製の四輪車としても知られています。オープンモデルとクーペモデルの2種類がありますが、クーペボディーは晩年の1965年から1年たらずしか生産されなかったと言われています。現在の価格は550万円。
ポルシェ911には様々なモデルがありますが、中でも空冷エンジン搭載車は昨今人気を集めています。写真の911(964型)は、911としては初となる4WDシステムとティプトロニックを搭載したことで、大きな転換期を迎えました。写真のカレラ2の現在の価格は1980万円。