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遠方銀河の向きが示すダークマターと一般相対性理論の証拠=京大

2023年04月18日 14時24分更新

文● MIT Technology Review Japan

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京都大学の研究チームは、120万個にのぼる銀河の観測データを用いて、銀河の向きを系統的に調査。数千万光年以上離れた銀河の向きが、重力を介してお互いそろっている証拠を突き止めた。

京都大学の研究チームは、120万個にのぼる銀河の観測データを用いて、銀河の向きを系統的に調査。数千万光年以上離れた銀河の向きが、重力を介してお互いそろっている証拠を突き止めた。 研究チームは今回、世界最大級の銀河観測データを提供する、スローン・デジタル・スカイ・サーベイから得られた120万にのぼる銀河のデータを用いて、銀河の向きのそろい具合を測定した。すると、観測者からの距離や銀河の明るさに応じて分けた3つのサンプルのいずれでも、銀河の向きのそろい具合に明確な兆候が得られ、お互いに数千万~数億光年離れた銀河でも、それらの向きが関係づいていることが明らかになった。 研究チームによると、この結果は宇宙に広がるダークマター(暗黒物質)分布が重力を通じてお互いの銀河に作用したと考えるとうまく説明できるという。同チームはさらに、重力によって銀河分布が徐々に密集していく速度の測定にも成功し、遠方宇宙でも一般相対性理論と矛盾がないことを明らかにした。 研究成果は、国際学術誌アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ(Astrophysical Journal Letters)に、2023年3月13日付けでオンライン掲載された

(中條)

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