中小オフィスやカフェ、店舗のネットワークをシンプルに構築、「進化する」ネットワーク機器
ゲストWi-Fiも簡単設置、「HPE Aruba Instant On」なら無料でここまでできる!
2023年04月27日 11時00分更新
企業向けネットワーク機器のグローバルメーカーとして高い実績を持つHPE Aruba。そのHPE Arubaが、小規模オフィスや小売店舗、カフェ、ホテル、クリニック、学校などの中小規模ネットワーク向けに展開しているのが「HPE Aruba Instant On」シリーズだ(以下「Instant On」と略)。
「シンプルを極めたスモールビジネス向けネットワーク」をコンセプトとするInstant Onは、専用のクラウド管理サービスを通じて簡単にネットワークの設定や監視ができるのが大きな特徴だ。この特徴により、IT専任の担当者がいない現場でも手軽、かつ安全にネットワークを運用できる。このクラウド管理サービスは、Instant On製品を購入すれば無料で(かつ無期限に)使える。
さらにソフトウェアのアップデートによって新しい機能が追加され、ネットワーク機器を買い換えなくても「機能進化」していくのも特徴だ。実際、Instant Onでは過去3年間で10回以上のメジャーバージョンアップが行われており、そのたびにさまざまな機能が追加されてきた。
そこで今回は「ネットワーク監視」「ゲストWi-Fi」「セキュリティ対策」という3つのテーマに絞り、最新のInstant Onが提供する豊富な機能から、特にビジネス現場のネットワークで役立つ最新の便利機能を紹介してもらった。話を聞いたのはHPE Arubaの藤内理志氏だ。
Instant Onの特徴:中小企業や店舗などで「導入しやすい価格と機能」を実現
本題に入る前に、まずはInstant Onの特徴について簡単におさらいしておきたい。
Instant Onは、中小規模のネットワーク向けにHPE Arubaが開発、提供するネットワーク機器シリーズだ。エンタープライズ(大規模企業)向け機器で培ってきた技術やノウハウを盛り込む一方、搭載する機能をシンプルにして価格を抑え、運用管理も簡単にすることで、高品質なネットワークを手軽に導入できるようにしている。
「中小規模のお客様の大部分は、なるべく簡単にセットアップができて、運用開始後も手間がかからないネットワークを求められます。IT専任の担当者がいないケースも多いですから、Instant Onはそうしたお客様に合わせて設計されています」(藤内氏)
Instant Onでは現在、Wi-Fiアクセスポイントを7機種、スイッチを4シリーズ(25機種)ラインアップしており、「アクセスポイント1台だけ」から「複数フロアをまたぐネットワーク」まで、導入規模や目的に合わせて柔軟にネットワークを構成できるようになっている。
そして、これらのネットワーク機器はすべて※注、クラウド管理サービスを通じて一元管理ができる。複数の拠点(サイト)にあるネットワークをまとめてリモート管理することもできるので、本社から支社や店舗の管理を行うことも可能だ。(※注:Instant On 1430スイッチを除く。)
このクラウド管理サービスは、専用のスマートフォンアプリやPCのWebブラウザを通じて操作する。機器のセットアップ(導入初期設定)から、運用中の稼働監視、設定変更、機器の再起動といった操作まで、スマートフォンアプリで簡単にできる。表示がすべて日本語化されているのも安心できる。
アプリで設定した情報(コンフィグ)は、各機器がクラウドから自動的にダウンロードする仕組みになっている。同じ拠点(サイト)の機器には同じ設定が適用されるので、たとえば複数台のアクセスポイントを導入する場合でも、1台ずつ同じSSIDとパスワードを設定していくような手間はかからない。さらに、アクセスポイントを新規に追加したり、古いスイッチを買い換えたりした場合も、ネットワークに接続すれば設定が自動的に終わる(「ゼロタッチプロビジョニング」機能)。運用の手間が省けてうれしい仕組みだ。
ネットワーク監視:ITスタッフのいない現場、手軽に運用したい!
たとえ規模が小さくても、業務で使うネットワークはいつでも安定稼働しなければならない。とはいえ専任のIT担当者がいない現場では、ネットワークが正常に稼働しているかどうかをこまめに監視することも難しいのが実情だろう。ネットワークを手軽に監視できる仕組みが必要だ。
Instant Onでは、システムがネットワークの稼働状態を24時間自動監視してくれる。そして、通信の遮断や機器のダウンといったトラブルが発生した場合は、すぐにスマートフォンへのプッシュ通知やメール通知を行う機能を備えている。つまり最初にセットアップすれば、あとは監視し続ける必要はないのだ。
トラブルの通知が届いたら、ひとまずアプリを起動すればよい。トップページ上部のボタンはネットワーク全体の“健康状態(ステータス)”を示しており、通常時(問題なく稼働しているとき)は緑色だが、トラブルを検知すれば赤色の「要確認」に変わる。このボタンをタップすると、具体的にどの機器でトラブルが発生しているのかもわかりやすく表示されるので、迅速な問題解決に役立つ。
ちなみに最新版のInstant On(V2.7以降)では、1サイトあたり最大50台のネットワーク機器を管理できる。小さなオフィスや店舗に限らず、複数フロアのあるオフィス、中規模なホテルなどでも、Instant Onでひとまとめにネットワークを管理できる。
また、クライアントのWi-Fi接続を最適化する「Client Match ™」機能も追加されている。複数のWi-Fiアクセスポイントを設置する場合、一部のアクセスポイントだけに接続が偏ると通信スピードに悪影響が出てしまう。クライアントマッチ機能では、クライアントの接続先を自動的に分散/調整してその偏りを修正し、快適に使えるWi-Fi環境を維持してくれる。
「Watchlist Client」機能も便利な新機能だ。これは、ネットワークに接続されているクライアント機器※注がオフラインになったときに、Instant Onがアラートを出してくれる機能だ。監視の設定も簡単で、アプリのクライアント一覧からワンタップでウォッチリストに追加するだけだ。(※最大128台まで)
たとえばオフィス内の業務サーバーやNAS、監視カメラ、環境センサー、スマートロック、スマートレジ、そのほかさまざまIoTデバイスなど、近年では「24時間確実にネットワーク接続しておきたいデバイス」が増えている。そうしたデバイスがダウンすれば業務への影響も大きい。Watchlist Client機能の使い道はかなり広いはずだ。
ゲストWi-Fi:お店のサービスとして導入が必須、でも手間はかけたくない!
近年、カフェやレストラン、ホテルなどでは、来店客用のゲストWi-Fi(無料Wi-Fi)を提供するのが当たり前のようになっている。顧客サービスとして導入したい、でもなるべく手間はかけたくない――そんな方も多いだろう。
Instant Onでは、このゲストWi-Fiもわずか数分で簡単に設定できる。アプリを起動して「ネットワーク」ボタンをタップし、ネットワーク(SSID)の新規作成時に「ゲスト用」を選ぶだけだ。ゲスト用ネットワークに接続したクライアントは、初期設定でインターネットにしかアクセスできないよう制限されているので、業務用ネットワークにアクセスされてしまうという心配もない。
ゲストWi-Fiの接続時にはパスワード入力を求める(WPA2+WPA3対応)こともできるが、最新のInstant Onでは「Wi-Fi Enhanced Open」モードにも対応した。これはゲストWi-Fiにパスワードなしで接続でき、なおかつ通信を暗号化してくれる通信モードだ。ゲストWi-Fiを提供する側も、いちいち来店客にパスワードを教える必要がなく、手軽かつ安全にゲストWi-Fiが提供できる。
「ゲストWi-Fiは提供したいが、大量に使われて業務用ネットワークに影響が出るのは困る……」という方もいるだろう。Instant Onでは、ゲストWi-Fiの使用帯域を制限することができるので、業務用ネットワークへの影響はあらかじめ抑えられる。
なお、ゲストWi-Fiへの接続時に利用規約画面(ポータル画面)を表示させ、「承諾」をタップすると特定のWebサイトにリダイレクトする「キャプティブポータル」機能も備えている。Facebook Wi-Fiにも対応しているので、お店のWebサイトやFacebookページへの集客に役立つだろう。
そのほか、営業時間外はゲストWi-Fi(SSID)だけを停止させたり、アクセスポイントそのものの電源を切る(PoE)といったスケジュール設定も、アプリから簡単にできる。曜日ごとに利用可能な時間帯を設定するなど、かなり細かな設定も可能だ。
セキュリティ対策:不適切な利用を簡単に排除したい!
ネットワーク運用で手間がかかることと言えば、セキュリティ対策もそのひとつだ。不適切な悪用は防ぎたいが、設定に手間がかかるうえ、詳しくなければ「本当にこれで安全なの?」と心配にもなってしまう。
IT専任担当者のいない中小ネットワーク向けに設計されたInstant Onでは、初期設定のままでも安全にネットワークが運用できるようになっている。セキュリティに詳しくなくても、あまり心配しなくてよいわけだ。
「たとえば機器のファームウェア(内蔵ソフトウェア)についても、最新バージョンが公開されると自動的にアップデートがかかる初期設定になっています。管理者の方がアップデートを忘れていても、脆弱な状態のまま放置されることを防げるわけです」(藤内氏)
もちろん、ある程度のセキュリティ知識があれば、より細かな対策を取ることも可能だ。たとえば、MACアドレスベースでネットワークに接続できるクライアントを制限したり、スイッチの有線接続ポートをワンタップでロック(クライアントを新規接続できない設定)したりする機能も備えている。
また、Instant Onではインターネットサービス(サイト)をカテゴリ分けしたデータベースを持っており、ネットワークごとに特定カテゴリへのアクセスを制限(ブロック)することができる。たとえば、従業員用ネットワークからセキュリティリスクの高い「ギャンブル」「アダルト」などのサービスにアクセスできないよう設定できるわけだ。また、ゲストWi-Fiから「動画」「ゲーム」カテゴリにはアクセスできないようにして、長時間の大量使用を防ぐといった使い道もあるだろう。
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今回はネットワーク監視、ゲストWi-Fi、セキュリティ対策という3つのテーマに絞って、Instant Onが提供する主な機能をご紹介した。もちろんこれ以外にも便利な機能は豊富にあるのだが、数が多く紹介しきれないのでこのあたりでご容赦いただきたい。
冒頭でも触れたとおり、Instant Onはクラウドサービスとソフトウェアのアップデートによって、導入後も新機能が追加されていく「進化する」ネットワーク製品だ。藤内氏は、実際の顧客からのフィードバックに基づいてInstant Onは進化している、と語る。
「たとえば、現在のInstant Onのアクセスポイントはルーター機能も搭載しており、1台だけで直接インターネット回線に接続できますが、最初のバージョンではその機能はありませんでした。日本市場からの強い要望で追加された機能です」(藤内氏)
シンプルに導入しやすく、なおかつ進化していくネットワーク――。どんなビジネス現場でもデジタル化が進み、高品質なネットワークが必要とされるいま、HPE Aruba Instant Onシリーズはそれを実現する心強いネットワーク製品と言えるだろう。
(提供:日本ヒューレット・パッカード、アプローズ)