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Ryzen 9 7950X3D&GeForce RTX 4080搭載PC、クセはあるがゲーミング性能は本物

2023年04月04日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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ウィンドウフォーカスCCD0を優先?

 前述のように、ゲーム以外のソフトではCCD1に処理が集中することがわかったが、ゲームでは本当にCCD0が優先で動くのか気になるところ。そこで、ゲームベンチマークソフト「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチ)で試してみた。

 設定はウィンドウモード(1920×1080ドット、高品質)で実行し、ベンチマークソフトにフォーカスがある場合(ウィンドウがアクティブな状態)とない場合の2パターンを、タスクマネージャーでチェックしてみた。

FF15ベンチの結果(フォーカスがある場合)

期待通り、負荷はCCD0に集中していた

 スコアーは22522でフォーカスがある場合はCCD0に処理が集中していた。CINEBENCH R23の16スレッド動作時のように、物理コアが優先されるということもなく、3D V-Cacheがしっかり活用されるような挙動になっていた。

 では、フォーカスを外した場合(エクスプローラーにフォーカスを移し、ベンチマークソフトはバックグラウンドで実行)の結果を見てみよう。

FF15ベンチの結果(フォーカスがない場合)

CCD0とCCD1の両方に処理が分散していた

 フォーカスがない場合は20944スコアーと大きく低下。どうもウィンドウが非アクティブ状態になったゲームは「その他のソフト」扱いになるようで、CCD0とCCD1両方の物理コアが優先で動いていた。また、偶然かもしれないが負荷はCCD1のほうが高めになった。

 つまり、CCD0を優先するかどうかはフォーカス次第ということ。ベンチマーク実行中でもフォーカスがある場合はCCD0優先で、外すとCCD1優先と動的に変わっていた点もおもしろい。

 なお、フルスクリーンであれば当然CCD0が優先となり、ユーザーが特に意識せず最適なパフォーマンスをソフトごとに得られる。しかし、ブラウザーや別のチャットソフトなどと並べてゲームを楽しむ時は、フォーカスに注意が必要だ。

 また、3D V-cache Ryzenがなにをもって「ゲーム」と「その他のソフト」を見定めているかだが、それは前述の加藤勝明氏の記事によれば、「Windowsのゲームモードか、Mixed Realityモードが発動すればゲームと判断している」とのこと。つまり、Windowsのゲームモードを有効にする必要がある。

 しかし、Windowsのゲームモードが有効になっていても、ゲームモードが発動しない場合もある。そういう時は「Xbox Game Bar」を起動し、「これをゲームとして記憶する」にチェックを入れれば、CCD0を優先してくれる。このように、3D V-cache Ryzenはややクセの強いCPUだが、ある程度のPC知識があれば有効に使えるだろう。

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