英国議会は3月23日、動画共有SNS「TikTok」について、英国議会のWi-Fiネットワーク内での利用を禁止した。複数の海外メディアが報じた。
議員も議会のゲストも利用禁止
TikTokは中国企業バイトダンスの子会社TikTokが運営する動画共有SNS。英国だけでなく、日本や米国など世界各国で10億人以上のユーザーを抱える人気サービスだ。
今回の英国議会の決定は中国の国内法である「国家情報法」により、TikTokを利用する上でセキュリティー上の懸念があることを理由としたもの。
国家情報法では中国政府からの協力要請があった場合、中国企業はそれに応じる義務がある。例えば中国政府がバイトダンスにTikTokを使う英国議員のユーザー情報を提供するよう求めた時、同社はそれを断れない可能性があるわけだ。
英国議会では今後、議会の公式Wi-FiネットワークではTikTokを利用できなくなる。これは議員かそうでないかに関わらず、議会の公式Wi-Fiに接続する全スマートフォンが対象だ。
ただし、TikTokの利用そのものを禁止した訳ではないので、4Gや5Gなどのモバイルネットワークでネットに接続すれば、今まで通りTikTokを利用できる。
なお英国ではこれに先立ち、政府が閣僚に対して公務用スマートフォンでのTikTok利用を禁止したほか、同国公共放送BBCでも職員に対して社用端末からのTikTok削除が通達されているという。
英国以外も規制の動き
TikTokに関しては、英国以外の国々でも規制の動きが出ている。
EUでは2月にEU職員が使うスマートフォンでのTikTok利用を禁止。日本でも開始時期は不明ながら、2月の時点で既に政府職員の一部公用端末でTikTok利用が禁止されている状態だ。
また米国でも政府がバイトダンスに対してTikTokの売却を求めており、3月23日には議会で本件に関する公聴会も開かれるなど、TikTok規制の動きが拡がっている。