マイクロソフトと傘下のニュアンス・コミュニケーションズは3月20日、医療機関向けの文書自動作成サービス「Dragon Ambient eXperience Express」を発表した。AIで臨床医の事務作業の負担を軽減し、燃え尽き症候群などを防ぐことを目指す。
事務作業は診察や治療の足枷
医師の仕事は患者の診察と治療のみと思われがちだが、実際には診察や治療以外の事務作業に費やす時間も少なからず存在する。
特に米国では人口増などにより患者数が増えたことで、医師の事務作業に対する負担も増加。マイクロソフトによると米国医務総監や医師会が事務作業の負担を軽減するソリューション開発を求めているという。
Dragon Ambient eXperience Expressはこうした課題に対応し、AIが臨床文書の作成をサポートすることで、医師の事務作業負担を軽減するサービスだ。
「ChatGPT」などで知られるOpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」を搭載し、臨床メモの案をわずか数秒で出力。事務処理に要する時間を減らした分、これまでと比べて1日あたり平均5件ほど多く診察可能になるという。
ニュアンス・コミュニケーションズは会話型AIを扱う米国の企業。アップルの音声アシスタント「Siri」を開発したことでも知られ、2022年からはマイクロソフト傘下となっている。