警察庁「令和4年の犯罪情勢」から気になるサイバー事案をチェック
ランサムウェア被害は3年前から右肩上がり。テレワークの味方VPNが意外な弱点に
2023年03月18日 10時00分更新
警察庁発表の「犯罪情勢」を読む
犯罪の発生状況の大勢を把握するために警察庁が毎年発表している「犯罪情勢(令和4年/2022年)」によると、インターネット空間でのサイバー事案は増え続けている模様です。
ランサムウェアによる被害件数は前年比57.5%増と大幅増、インターネットバンキングに係る不正送金事犯はその多くがフィッシング詐欺由来で、おおよそ前年の2倍にまで急増しているとのこと。
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2022年のランサムウェア被害件数は警察庁に報告があったものだけで230件(上半期114件、下半期116件)。昨年は146件、一昨年は21件(下半期のみ)だったことを考えると、右肩上がりで急増中の事案と言えます。
警察庁によれば、企業・団体の規模を問わず被害が発生しているとのこと。また手口の大半は、VPN機器などの脆弱性を狙ったものでした。コロナ禍以降、テレワークの推進に伴ってVPNを導入する企業も増えましたから、今後も注視が必要と思われます。
フィッシング詐欺発の金銭被害が多発
インターネットバンキングに係る不正送金事犯、つまり銀行口座から不正に金銭が引き出されてしまったトラブルについては、2022年は発生件数1131件、被害総額約15億円と3年ぶりに増加しました。
コロナ禍が始まった2020年こそ約25億円と高い数値を示したものの、その後2年間は約11億円、約8億円と急減していました。
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それが増加に転じた理由は不明ですが、被害のほとんどがいわゆるフィッシング詐欺だったことは判明しています。被害者は、メールやSMS経由で偽の銀行サイトに誘導され、口座番号や暗証番号などを含む個人情報を入力してしまったのでしょう。
そのほか気になる数字としては、SNSで知り合うなどして犯罪に巻き込まれた児童(18歳未満)は1733人でした。前年よりわずかに減少していますが、ここ10年の流れを見る限りは高止まりと言えそうです。