米アマゾンは3月14日、通信衛星を使ったインターネットサービスを早ければ2024年後半にも開始すると発表。あわせて、通信に利用するアンテナなどを公開した。
家庭用から業務用まで3種類のアンテナを公開
Project Kuiperはアマゾンが2019年から進める、通信衛星を使ったインターネット回線の提供プロジェクト。スペースXの「Starlink」と同様、地球低軌道(LEO)に多数の通信衛星を周回させるタイプのサービスだ。
今回公開されたアンテナは、個人宅や中小企業向けの小型モデル2つと大容量通信が必要な用途に向けた大型モデル1つの合計3モデル。
小型モデルは7インチと11インチがあり、通信速度は7インチモデルが最大100Mbps、11インチモデルが最大400Mbpsだ。
正式な価格は未発表だが、11インチモデルについては400ドル(約5万4000円)未満での製造を予定しているという。
大型モデルは多くの通信帯域が必要な業務用途向けのアンテナで、サイズは19インチ×30インチ。通信速度は最大1Gbpsとなる。
いずれのモデルもアマゾンが開発したベースバンドチップ「Prometheus」を搭載。5Gモデム、セルラー基地局、マイクロ波バックホールアンテナの機能を1枚のチップに収めた物で、ユーザー用のアンテナ以外に通信衛星や地上のゲートウェイアンテナにも搭載されているという。
サービス開始は2024年後半の予定
Project Kuiperのサービスは、早ければ2024年後半にも始まる見込みだ。
アマゾンではそれに先駆け、2023年初めに2つ試験衛星の打ち上げを予定。その後、同年末までに衛星生産施設を立ち上げ、2024年前半までに本格的な衛星打ち上げを開始するとしている。