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MWC Barcelona 2023レポート 第19回

スポーツ解析やフレキシブル基板など独自性が光ったMWCの日本系ブース

2023年03月07日 12時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII

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遠いスペインで存在感を発揮する
日本系企業やスタートアップたち

 スペイン・バルセロナで開催されたMWC Barcelona 2023では、NECや富士通など日系の大手企業だけでなく、中小企業やスタートアップなどの企業も日本から出展。会場ホール6には総務省が日本パビリオンを出展し、スタートアップ系を集めたホール8の「4YFN」エリアでは、JETROの支援で同じく日系の企業がソリューションを披露していた。

会場ホール6の日本パビリオン

世界を瞬間移動できるGENCHI:toraru

 昨年もMWC Barcelonaに出展しており、CESなどにも参加しているtoraruは、瞬間移動のように世界中を移動できる「GENCHI」を紹介。インターネットを介して、遠隔地にいる人やロボット、ドローンをコントローラーと音声で操作して、あたかも現地にいるかのように動き回れる。

遠隔地を現地にいるかのように動き回れる「GENCHI」

 今回はアップデートとして、人と人の間に入って違和感なく操作するためのロボットを新たに展示。現地にいる人がロボットにスマートフォンをタッチすると、視点や操作などがロボットに乗り移ったかのような感覚で使えるようになるとのこと。

ロボットを使った操作も可能に

NFTを使った
非接触型メンバーシップ登録サービス:ZEUS

 レストランやゴルフ場、イベント会場などのメンバーシップの確認や登録に活用できる非接触型の会員サービス「EasyMembershipNFT」を展示。スマートフォンをタッチするだけで、会員登録画面などにアクセスでき、会員登録などが済んでいればタッチするだけで来場登録などが可能となる。

スマートフォンでタッチするだけで、会員登録が可能に

 またNFTの技術を活用しており、メンバーシップを提供する企業とカスタマーとのやりとりをセキュアに行えるとのこと。

卓上サイズの5G電波暗室:森田テック

 スマートフォンなどの電波を使ったデバイスは、開発時のテストで巨大な電波暗室を使用する必要がある。森田テックはこの電波暗室を卓上サイズまで小型化した「卓上型小型OTA試験用シールドボックス」を展示。同社が開発した「アンテナカプラ」を使うことで小型化を実現しており、4X4 MIMOや、8X8 MIMO、FR1やFR2とのCarrier Aggregation試験といったOTA試験ができる。

卓上サイズながら5G端末のテストもできる電波暗室「卓上型小型OTA試験用シールドボックス」

業界最小のローカル5Gプラットフォーム:ハイテクインター

 クラウド管理システムを利用することなく、完全閉域網で5GコアとCU/DUを運用できるように設計された、業界最小のローカル5Gプラットフォームを展示。1台のサーバーに1台の基地局と16端末まで接続可能となっている。製品は2023年後半に正式版をリリース予定。

小型で設置も簡単なローカル5Gプラットフォーム

200Gbpsを越えたパケットキャプチャーが可能:コムワース

 2003年より開発や販売を行なっている国産のパケットキャプチャー製品「SwiftWing Sirius」を紹介。キャプチャーI/Fは、10M~10Gbps、10~100Gbpsをラインアップしており、1筐体で最大16ポート(10/25G)まで構成可能となっている。さらに20~200Gbps超のキャプチャースピードに対応した各種筐体をカスタマイズし可能となっており、顧客のニーズに合わせた製品が提供できるとのこと。

カスタマイズ次第では200Gbps超のパケットキャプチャーが可能な「SwiftWing Sirius」

 ブースではクラムシェルタイプの可搬型のものから、サーバーラックにセットされた据え置き型など各種形状の「SwiftWing Sirius」を展示していた。

筐体サイズも複数ラインアップ

AIでの音声解析でコールセンター業務を可視化:RevComm

 音声解析AI搭載型のクラウドIP電話「MiiTel(ミーテル)」を展示。AIを使って音声解析や議事録の作成を行なうだけでなく、顧客対応などを自ら振り返る「セルフコーチング」を搭載しており、業務の改善や効率化などに役立てることができる。現在は日本だけでなく、インドネシアやフィリピン、アメリカなどでもサービスを提供しているとのこと。

テキスト化や自動翻訳に加えて、セルフコーチングで業務改善にも活用できる

桁違いの省資源化・CO2排出量削減した
フレキシブル基板:エレファンテック

 フレキシブル基板を製造するエレファンテックは、ナノ粒子を使ってインクジェットプリンターで基板に回路を印刷できる技術を紹介。これにより、銅の使用量は70%、カーボン排出量は75%削減。従来の方法だと製造時に不要な部分を洗い流す工程もあるが、エレファンテックの手法ではそれが不要となるため、水の使用量も90%削減できるとのこと。

インクジェットプリンターでフレキの回路を印刷する技術を持つ

資源を削減でき、低コストで提供できる

最新技術でスポーツを分析:RUN.EDGE

 スポーツ分野向け映像検索・分析サービスの開発・提供しているRUN.EDGEのソリューションを展示。たとえばサッカーなら、試合などの映像をサーバーにアップして、各シーンで「パス」や「シュート」などタグ付けを行ないデータベースを作成。シーンをタグで管理しているので、アップロードした全試合のパスやシュートといったシーンを瞬時にピックアップして比較可能になっている。

スポーツの試合をタグで管理してデータベース化

 また、野球ではカウント別に投球シーンを重ね合わせることで、フォームやクセのチェックといった解析も可能だ。各シーンにはタッチ操作で書き込みもできるので、選手とコーチとのコミュニケーションツールとしても活用できる。

シーンを重ね合わせて違いをチェックするといった機能もある

タグを活用して
社員同士のコミュニケーションをスマートに:ビートラスト

 大企業に向けた社員間同士のつながり「タレントコラボレーション」を促すプラットフォーム「Beatrust」を提供。個人のスキルなどパーソナリティーを「タグ」で管理することで、得意分野や過去の仕事などを可視化でき、社員の多い大企業でもスムーズなコミュニケーションがとれる。

社員のスキルなどパーソナリティーをタグで管理

 たとえば、マーケティングに強い社員と相談したい場合、メッセージを送る際に「マーケティング」のタグをしてすることで、そのタグを持った社員にメッセージが送られるといった具合だ。

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