グーグル日本法人と東京大学は2月28日、AIを活用した多遺伝子リスクスコア(PRS: Polygenic Risk Score)モデル研究で協業すると発表した。グーグルが開発したPRSモデルを改良し、日本での疾病管理や予防医療への貢献を目指す。
欧州向けのPRSを日本で改良
多遺伝子リスクスコア(PRS)は、個人の遺伝情報からその人がどの病気にかかりやすいかを調べ、病気の予防や早期発見、治療に役立てようという試み。
PRS研究の3分の2はヨーロッパ地域に祖先をもつ人々を研究対象としていたため、アジアなど非ヨーロッパ系のルーツをもつ人々にモデルを適用すると予測精度が落ちることがあった。
今回の協業では、欧米で開発されたグーグルのPRS予測モデルを日本へ持ち込み、非欧米系集団の遺伝学研究で多くの実績をもつ東京大学とともに検証し、改良する。
同大の知見からグーグルのモデルを評価することで、日本の疾病管理や予防医療の発展に貢献することが狙いだ。
なお、AIモデルのパフォーマンス分析には、東京大学医科学研究所のバイオバンク・ジャパンのデータを使用する。データは本協業限定で使用され、日本国内に設置されたGoogle Cloudのサーバーに暗号化の上で保管するとしている。