モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第85回
「いつものカップヌードルの感じだよね」といったところ:
日清さん、これってそんなに“背徳”ですか? カップヌードル「チーズバタークリーミーカレー」
2023年02月18日 12時00分更新
「カップヌードル チーズバタークリーミーカレー」
日清食品
214円(税別)
https://www.nissin.com/jp/products/items/11612
自称・背徳のカップ麺です
「背徳の〜」「罪深い〜」という言葉は、ここ数年のグルメにおけるトレンドワードといってもよいでしょう。我慢せずに食べることで大きな満足感を得られたり、ストレスを解消できたりすることから、若年層を中心に人気を集めているとされています。
まあ、それらの多くは、脂質が多いとか、量が多いとか、その程度のものです。たまにそういう食品を食べるより、日頃の食生活が乱れているほうが、よほどギルティーなわけですが。
それはそれとして、「カップヌードル」シリーズから、“背徳”をうたうメニューが登場しました。その名は「カップヌードル チーズバタークリーミーカレー」。ポークをベースにチーズとバターの芳醇なコクをきかせ、カレーの風味を加えた濃厚な味わいが特長とのこと。
こちらは2月13日に発売された「日清 背徳の麺トリオ」の1つ。他にも、「日清のどん兵衛 味噌バタークリーミーうどん」「日清焼そばU.F.O. チーズ背脂台湾まぜそば」が同時発売です。
カップヌードルなので、作り方はいたってシンプル。お湯を入れて3分待ち、チーズカレーパウダーを入れるだけです。
チーズカレーパウダーを温めないように注意
フタを開けると、チェダーチーズ風キューブがお目見えします。お湯を入れて、待ってからチーズカレーパウダーを入れるのですが、「フタの上で温めないでください」と書いてあることに注意。カップ麺の調味油などと同じように、ついフタの上で温めそうになりますが、これはそうではないのです。
ポタージュ系のクリーミーな味わい
完成した見た目は、カレーというより、クリーミーで“洋風”というたたずまいです。バターやチーズの香りもします。麺は「カップヌードル カレー」用のやや太い麺ではないようです。
実はこれ、カップヌードル カレーをイメージすると、大きく予想を裏切られることになるのです。
まず、スープ。チーズカレーパウダーを入れる前は、ポタージュスープのような味わい。肝心のチーズカレーパウダーを入れても、意外なほど辛くなく、あくまでカレー風味になるといった塩梅なのです。
それではチーズやバターがどっしりと存在感があるかといえば、そちらも案外ひかえめ。どろっどろに濃厚でもなければ、チーズやバターの脂質が強烈! というわけもなく、「食べやすいなあ」という印象。
ネギ、コーンなどの具材は、穏やかなカレー味のポタージュの中によく合います。一方、カップヌードルおなじみの「謎肉」(味付豚ミンチ)も入っているのですが、スープ自体が刺激的ではないため、ジャンク要素を感じる謎肉の存在感は、ちょっと強めになっていました。
カップ麺としてのクオリティーは、悪くないと思います。かなりまろやかな“ポタージュ”といった雰囲気で(チーズとバターの風味にしているから当たり前なのですが)、カレー要素でバランスを取っている感じですね。
まろやかでマイルド路線
“やりすぎ感”はありません
それでは、“背徳”の味わいなのか? といわれると、どうでしょうか。
背徳系グルメのインパクトがインフレしている昨今ではありますが、それを考慮しても、このチーズバタークリーミーカレーは角のない味わいです。ポタージュ系のまろやかスープですし、麺、具材の量に関しても、「いつものカップヌードルの感じだよね」といったところ。
“背徳”“チーズバタークリーミーカレー”というわけですから、あふれんばかりのチーズだったり、バターをそのままかじるような衝撃だったり、強烈なカレー味だったり……そんな体験を想像する人も多いでしょう。脂質と塩分たっぷり、食べすぎ厳禁! 的な。そういった“やりすぎ感”はありません。
まあ、そもそもカップ麺自体が、ジャンクで背徳感のある食べ物と言われればそうかもしれませんが……。少なくとも、このカップヌードルに関しては、まろやかでマイルドなテイストに仕上がっていると思いました。むしろ、そういう路線で売り出してもいいと思います。
一方で、「日清さん、これってそんなに“背徳”ですか?」という疑問は浮かんでくるというものです。ちょっと、そのワードを安易に使っていませんか、とは言いたくなりました。
いずれにしても、ガッツリ食べたい時に……というより、まだまだ寒い今の時期に温まりたい、という際に食べたいカップ麺です。
モーダル小嶋
1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。
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