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チャットAI競争が始まった:

グーグル、マイクロソフトに追いつめられる

2023年02月13日 09時00分更新

文● うみゆき 編集● ASCII

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グーグルのチャットAI、Bardとは

 グーグルのチャットAIであるBardは現在、テスターにのみ公開されていて、まだ一般には公開されていません。

 グーグルの説明によると、「家族のために自動車を買いたいのですが、何を検討すればいいでしょう?」のような質問にも回答できます。

 ChatGPTには、最近の話題に対応しておらず、ハルシネーション(幻覚)によってデタラメな回答をでっちあげてしまうことがあるという問題がありました。

 しかし、BardはWeb上の情報を検索してきて利用できるようです。それにより、最新の話題にも対応でき、精度の高い回答を可能にしています。

 そして、Bardの中身に使用されているAIは、グーグルが2021年に開発したLaMDAです。

 LaMDAといえば以前、グーグルのエンジニアが「LaMDAには意識が芽生えている!」と主張して騒ぎになりました。それくらいに感じてしまうほどにすごいAIであると想像されます。

https://gigazine.net/news/20220725-google-fires-lamda-researcher/

 ただし、Bardに使われたのはフル版のLaMDAではなく、軽量版の方だとのこと。パラメーター数の多い大型のAIモデルを実行するのは多額のコストがかかります。

 ChatGPTは無料で使用できますが、中身はパラメーター数1750億の超大型モデルのGPT-3.5だったので、運用中に赤字が膨らんでいたようです。

 グーグルは「このはるかに小さなモデルは、必要な計算能力が著しく低いため、より多くのユーザーに対してスケールアップすることができ、より多くのフィードバックを得ることができます」と説明しています。

 LaMDAはフル版の1370億パラメーターのモデル以外に、小型の80億と20億パラメーターモデルが用意されていたようです。

https://ai.googleblog.com/2022/01/lamda-towards-safe-grounded-and-high.html

 つまり、Bardに使われた軽量版モデルとは、80億または20億パラメーターのモデルと思われます。

 Bardとは別に、グーグル本体のWeb検索にもAIが回答してくれる機能が追加されるようです。

 今まで強調スニペットが表示されていた部分に、代わりにAIによる回答が表示されています。

 グーグルによれば、唯一の正しい答えが無いような質問、例えば「ピアノとギターはどちらが習得しやすいか?それぞれどのくらい練習が必要か?」といった質問にも洞察を与えてくれるそうです。

 検索エンジンはキーワードを入力して検索するものでしたが、最近ではキーワードでなく質問文を入力する人も多いそうです。検索エンジンは入力に関連するリンクを返してくれますが、質問に直接答えてくれるわけではありませんでした。これからはAIが質問に直接回答してくれるようになるということです。

 気になるのは料金ですが、グーグルは現時点では料金について触れていません。

 筆者の推測ですが、Web検索にもAIが統合されていることを考えると、無料で提供される可能性があります。

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