スマホと連動する電動アシスト自転車「e-bike」試乗レポ 第3回
理想のe-bikeを探せ! その3
まさに走るスマホ! VanMoofのe-bike「S3」はギアもオートな未来の乗り物
2023年01月30日 12時00分更新
【まとめ】三者三様でユーザーのライフスタイルに合わせて選べる
まずは「e-bikeの現在地を知ろう」ということで、今回はスマホと連携するe-bikeから3台選んで紹介した。日本にはヤマハ(1993年、世界初の電動アシスト自転車開発)やパナソニックサイクルテック(かつてのナショナル自転車。実は老舗の自転車ブランド)、ブリヂストンサイクル(子供用からロードレース用まで手がける日本を代表するブランド)といったおなじみのブランドが多くあるが、今回は「大人の趣味のe-bike」に相応しい、ひと味違うものを、ってことで知る人ぞ知るという海外からの製品たちである。
それが電動アシスト自転車専門のブランドとして登場したBesVの主力モデル「PS-1」、アメリカのスポーツ自転車ブランドでロードレースにも機材を提供しているキャノンデールの「Topstone Neo Carbon Lefty 3」、そしてスマホとの連動を前提に設計された新世代の電動アシスト自転車VanMoof「S3」だ。
どれもしっかりデザインされていて、バッテリーもうまくボディーにマッチしてて「電動アシスト自転車然」としてないのが魅力だ。この3台を向き不向きで並べてみるとこんな感じ。
自転車の用途として、日常の足として使う「街乗り」、のんびり自転車散歩を楽しむ「ポタリング」、もうちょっと遠出する「サイクリング」、さらにより高く、より速く、より遠くに的な「スポーツ」を想定して図にしてみた。
ロック解除から走行、そしてロックするまでほぼスマホと自転車おまかせで気軽に自転車を楽しめるVanMoofは街乗りでは最強といっていい。すべてお膳立てされてるから、追加の出費(鍵とかライトとか)も不要だし、自分で変速する手間もない。
見た目も普通に「ヨーロッパっぽいデザインのおしゃれな自転車」だ。何より、未来の自転車はこうなるべきだよな、と思わせてくれる。スポーツ系の自転車ってセッティングやメンテナンス、どういうタイミングでどう変速するか、など快適に走るにはちょっとノウハウが必要になってくるのだけど、VanMoofはその辺を自動的にやってくれるし、ライトも内蔵してて自動だし、チェーンもカバーでおおわれてるので、特に自転車が好きなわけじゃないって人に超オススメ。フロントにキャリアを付けられるのもいい。
そして、その真逆がキャノンデールのグラベルロード「Topstone Neo Carbon Lefty3」。
ガチのスポーツ系なのでモーターも強力だし、どんな坂もぐいぐい上るし、何しろ走っていること自体が気持ちいい。体力に自信はないけど、いろんなところを自在に走り回りたい、風を切って走る楽しさを味わいたいって人に最適だ。これなら躊躇するような峠でも攻めれるわけで、坂を上るときなんか快感ですらある。こちらは自転車好き向けだ。
また、意外と幅広く対応してくれるのがBESVの「PS-1」。
小径車なので街乗り用ぽいし、確かに小回りも利いて街乗りにいいけど、その中身は結構スポーツ系。その気になればスピードも出るし長距離ライドにも対応できる。しかも、車体が17.4kgとe-bikeとしては軽いのもよい。自転車としても本格的な仕様なのでカスタマイズの楽しみもある。
ちなみに、どれも日本の法律に準拠しているので、アシスト力は最高で人力の2×(ただし速度による)だし、時速24kmを超えるとアシストはゼロになる。ただ、モーターの最大トルクには差があって、VanMoofのS3は59Nm、キャノンデールのTopstone Neo Carbon Lefty3は75Nm。街中の走行ではまったく差は感じないが、激坂を上るときに違いが出る。
カッコいい街乗り自転車か、小回りが利いて街乗りからサイクリングまで幅広く楽しむのか、休日に趣味道楽で自転車に乗り回して時には峠も攻めたいのか。バッテリーに関してはどれも70~100kmは走れそうなので、よほどの遠出をしない限り問題なさそうだ。
じゃあ、どれが理想のe-bikeかというと……難題すぎるので先送りしていいですか?
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