横浜市立大学、東京大学、新東京病院、北里大学、三重大学の研究グループは、心不全患者の体重変化と入院中の死亡率の関係を明らかにした。
横浜市立大学、東京大学、新東京病院、北里大学、三重大学の研究グループは、心不全患者の体重変化と入院中の死亡率の関係を明らかにした。 研究グループは、日本全国の入院患者のデータベースであるDPC(Diagnosis Procedure Combination)が蓄積しているデータのうち、2010年から2018年の間に心不全で入院を繰り返した患者4万8234名(年齢の中央値は82歳で、46%が男性)のデータを分析した。体重変化の値は、初回入院時と2回目入院時の体重計測値から求めた。 分析の結果、体重減少、体重増加のいずれも5%を超える変動があるときは、入院中死亡率の高値と関連していた。2回の入院で、前回入院時よりも体重が減っている患者は総じて死亡率が高く、短い期間に体重が増加した患者も死亡率が高いことが明らかになった。 今回の研究成果から、心不全患者に対しては栄養療法など、体重を減らさない治療が有効である可能性が高まったとしている。また短期的には、利尿剤で体重増加、水分増加を防ぐ治療など、体重増加を抑える治療が有効である可能性があるという。(笹田)