戦国LOVE Walker総編集長・玉置泰紀の「チャレンジャー・インタビュー」番外編
日本最大級のお城ファンの祭典「お城EXPO 2022」に入城してきたぞ
日本全国から「お城」と「お城のスペシャリスト」と「お城ファン」が集結する、日本最大級のお城ファンの祭典「お城EXPO 2022」第7回が2022年12月17日、18日の2日間(16日は前夜祭)、パシフィコ横浜ノースにて開催された。城郭文化の振興と発展や、お城好きの人達の交流を目的としたイベントで、日本各地のお城を有する自治体やお城グッズやお城にかかわる書籍などを販売する企業・団体が出展し、日本各地のお城情報や、お城にまつわるさまざまな展示・ショー、専門家によるトークショーや講演で盛り上がった。
今年の来城者数はまだ発表されていないが、昨年(2021年)の約13,000人(前夜祭を含む3日間)を超える人たちが集まった。筆者は、2022年12月23日発売の「戦国LOVE Walker」の総編集長を務めており、戦国の名城も数多く出展しているEXPOにはせ参じてきた。
昨年を上回る来城者が城郭関連団体や書籍やグッズの企業、ゲームから模型まで、お城と歴史ロマンを満喫した
今回の出展者は、城めぐり観光情報ゾーンに、城郭の関連団体が79団体、城下町・物販ブースには、書籍やお城関連グッズを扱う企業が20団体集まった。このほか、歴史人物イラストの巨匠、長野剛氏の武将イラスト原画展、コーエーテクモゲームスの特別展示『「信長の野望」で描く日本の城」、小学生、中学生の「城の自由コンテスト」優秀作品展、日本100名城&続日本100名城パネル展、よみがえる中世城郭模型展など、盛りだくさんの展示が行われた。
また、崎陽軒や横浜ロイヤルパークホテル、ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテルなどの会場限定メニューも楽しめ、数多くのワークショップ、セミナー、講演会、トークショーも実施された。
スペシャリストによる厳選プログラムは、アネックスホール(パシフィコ横浜展示ホール2F)で開催されたが、豪華な面々の内容は以下の通り。筆者は17日の平山優氏、18日の千田嘉博氏のプログラムを楽しんだ。
◆厳選プログラム<本丸御殿会場>
17日(土)
A:小和田哲男氏「家康の城攻めを採点する」
B:平山優氏「三河一向一揆と松平家康」
C:中井均氏「聖地と城 -聖地に築かれた城、城に築かれた聖地-」
18日(日)
D: 春風亭昇太氏/小和田哲男氏/加藤理文氏「今川vs北条vs武田vs徳川 群雄割拠した静岡の城を語る」
E: 千田嘉博氏「城から考える徳川家康」
F:宮武正登氏「陣・陣場・陣所の実像ー戦争拠点の正しい姿-」
◆厳選プログラム<天守会場>
17日(土)
G:三浦正幸氏「家康の城と戦略」
H: 諏訪間順氏「家康の江戸を守る大久保忠世・忠隣の小田原城」
I:伊東潤氏「滝山城を歩く ―ビデオでたどる滝山城のすべて―」
18日(日)
J: 萩原さちこ氏「“戦いの城”の歩き方〜徳川vs.武田の攻防、加越国境城跡群 ほか〜」
■会場の様子
【古河城バルーンプロジェクト】
茨城県の最西端、古河市のさらに西の端、埼玉県との県境、渡良瀬川のほとりに建てられた古河城。関東地方では、江戸城に次ぐ、水戸城、川越城と並ぶ巨大城郭だった。築城は室町時代の1457年。古河公方・足利成氏が築城した。元は、鎌倉時代初期に、御家人の下河辺行平が建てた竜崎館がルーツ。江戸時代は徳川家譜代の重臣が城主を務め、1663年に大老の土井利勝が城主になって天守閣「御三階櫓」を造営し、以降は土井家が治めた。1873年に廃城令が出て、翌年には構造物が破却され、1916年には、渡良瀬川改修事業で、城山も堤防の土木材料に利用され、城が消滅した。今は、河原の野球場になっているが、地盤も難しく、再建もかなわず、バルーンでかつての姿をしのぶプロジェクトが立ち上がった。高さ11メートルのバルーン野中は子供たちが遊べる空間になっている。
【城郭合体オシロボッツ】
MIXI_ANIMEの本格始動、オリジナルIPコンテンツ第1弾。実在のお城がロボットに変形する。『城郭合体オシロボッツ』は、日本全国に存在する個性豊かで魅力的なお城を、“もしも実際のお城が巨大ロボットに変形&合体したら”という今まで無い新しい切り口で描くオリジナルコンテンツ。第1弾として、「熊本城」(写真1枚目)「高松城」「会津若松城」の3城のオシロボットと、3城が登場する大張正己監督によるショートアニメを制作。今後、様々なイベントに出展するなど、『城郭合体オシロボッツ』の認知を拡大しながら、日本のお城文化を盛り上げていく。
公式サイト:https://oshiro-robots.com/
【「信長の野望」で描く日本の城】
横浜に本社を置く歴史ゲームの雄、コーエーテクモゲームスが初参陣。 40周年を迎える「信長の野望」で描く日本の城をテーマに、最新作『信長の野望・新生』やサービスインしたばかりのアプリゲーム『信長の野望 覇道』などの作品内で再現されるお城を、映像やパネルで解説する。
【備中松山城】
岡山県高梁市にある、現存する唯一の山城ともいわれる備中松山城には、猫城主、さんじゅーろーがいる。平成30年7月豪雨災害(西日本豪雨災害)の後、山を彷徨い、備中松山城に辿り着いて、いつの間にか住むようになった。その後、同年11月4日~11月23日まで19日間のかくれんぼののち、家臣の元に戻った。2018年12月16日には「再入城の儀」を執り行い、正式に猫城主に就任した。名前は、備中松山藩(現高梁市)出身の新選組隊士で七番隊の組長を務めていた「谷三十郎」にちなんでいて、また、見つけた場所が備中松山城の三の丸だったことが由来。
標高430mの臥牛山頂上付近に建つ天守は、国の重要文化財で、現存天守を持つ山城としては最も高い所にある。鎌倉時代、有漢郷(現高梁市有漢町)の地頭秋庭重信が大松山に城を築いたのを起源とし、1683(天和三)年に水谷勝宗によって3年がかりで修築され、今の天守の姿になった。山陰と山陽を結ぶ地点に当たり、東西の主要街道が交差する要地のため、戦国時代は激しい争奪戦が絶えず、城主交代が繰り返された。「現存12天守」の一つで、天守が現存する“唯一の山城”。岐阜の岩村城、奈良の高取城とともに日本三大山城にも数えられている。
【長崎県対馬・金田城】
西暦660年、朝鮮の百済が唐・新羅の連合軍により滅亡し、百済を救援する為に送られた倭国軍も、663年に朝鮮半島西岸の白村江で大敗したことにより、倭国は西日本各地に古代山城(朝鮮式山城)を築き、唐・新羅の侵攻に備えた。そして、667年、浅茅湾南岸に突き出した「城山」(じょうやま)に「金田城」(かなたのき)が築かれ、東国から召集された防人たちが入城した。城域での発掘調査によると、7世紀中頃に築城されたのち、7世紀末頃に修築、8世紀初頭以後には廃城化したと推測され、その後、江戸時代後期に、対馬近海に外国船が出没するようになり、対馬藩は寛政4年(1792年)に、要所に遠見番所を設置し、寛政10年(1798年)に『海辺御備覚』を作成していて、この頃に金田城の修築がなされたと見られる。
世界的な人気ゲーム「ゴーストオブツシマ」(GOT)では、重要拠点として戦国の城風に描かれているが、築城から600年後の元寇で使われたのかについては記録がない。同じく対馬の元寇をテーマとする「アンゴルモア~元寇合戦記~」では、蒙古との決戦の舞台として描かれている。今は、ゲームで知って訪れる海外からのインバウンドの観光客も多いという。
【会場限定メニュー】
ヨコハマ グランド インターコンチネンタル ホテル
「チョコ兜ケーキ」「チーズ小判スフレ」
崎陽軒
「お城EXPO2022 炒飯弁当」
【戦国LOVEWalker】
2022年12月23日発売。時を超える旅へ!戦国時代を体感できるスポットを厳選した保存版観光ガイド。990円。
・いざ、時を超える旅へ 「戦国メタ散歩」…徳川家康、織田信長ら名将ゆかりの史跡だけでなく、周辺観光スポット&グルメまで多層的に楽しめる厳選プランを提案。
・大河ドラマ「どうする家康」見どころ徹底詳解!…ドラマの見どころを主演・松本潤にインタビュー。ほか、番組チーフ・プロデューサーの注目ポイント解説、人物相関図、ストーリー要説で先取り。
・特別対談 千田嘉博×平山優…日本の城郭研究の第一人者・千田嘉博先生と大河ドラマの時代考証も担当する歴史学者・平山優先生に、史跡巡りの極意をお聞きした。
・思わず話したくなる「徳川家康23の虚実」…誕生から死去するまでの生涯をたどりながら、2023年にちなんで、各地に伝わる“23”の伝承をピックアップ。新説を交えて家康の魅力や謎に迫る。
・戦国武将が愛した名湯17選…戦国の英雄たちが戦の傷や疲労を癒やしてきたとされるゆかりの温泉と、周辺歴史スポットをセットで紹介。
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