第3回 VAIO SX14ロードテスト

6GHz帯開放で変わるWi-Fi環境

VAIO SX14がアプデでWi-Fi 6E対応に!さっそく試してみた

文●飯島範久 編集●ASCII.jp編集部

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6GHz帯開放アップデートで実現

 9月に総務省が電波法施行規則等の一部を改正し、Wi-Fiの6GHz帯の一部周波数を技適の対象になってから3ヵ月あまり。VAIO SX14も11月29日のアップデートで、6GHz帯が開放され、真のWi-Fi 6E対応となった。

 Wi-Fiルーターも6GHz帯が開放されたWi-Fi 6E対応製品が続々登場。2.4GHzと5GHzに加えて6GHz帯が利用できることで、通信が分散されて混雑の緩和が期待できる。これまで5GHz帯はかなり高速化されてきたが、航空無線や気象レーダーで利用されており、これらの電波を受信すると電波干渉を避けるためには、チャンネルを変更する必要があり、住んでいる場所によっては速度が安定しないこともあった。

 また、5GHz帯は利用者が増えているため、アパートやマンションなどの集合住宅では、チャンネルの奪い合いにより、速度の低下を招くことも少なくない。今回追加された6GHz帯は、5GHz帯と同等以上の速度を発揮しつつ、特定の電波干渉はないため、チャンネルを切り替える必要がなく、安定した通信が期待できる。

 ただ6GHz帯は、2.4GHz帯はもちろん、5GHz帯に比べても電波が遠くへ届きにくく、ルーター1台で広範囲をまかなうのは不得手。高速回線環境にするには、メッシュ中継機などを導入して効率よく広い範囲をカバーするのがポイントだ。

 VAIO SX14のWi-Fi 6E対応アップデートプログラムは、こちらのサイトからダウンロードして実行するだけ。実行すると「プログラム適用完了後、必ずPCを再起動してください。」とダイアログが表示され、OKをクリックするとアップデートがスタート。しばらくすると「セットアップが正常終了しました。」と表示されるので、再起動を実行しよう。

VAIOのサイトからアップデートプログラムをダウンロードし実行。再起動後6GHz帯が開放される

「VAIO レスキューモード」から「認証情報を表示」を選択すると、技適が表示される。画像は5G WAN搭載モデルの場合

 実際に動作するかどうかは、6GHz帯が利用できるWi-Fiルーターを導入して試すしかないが、各社Wi-Fi 6E対応ルーターを投入しているので、ここは新たなWi-Fi環境を導入することをオススメする。

ルーター近接では安定した速さを発揮

 さっそく、6GHz帯を体験すべく、バッファローの「WNR-5400XE6」をお借りして、速度を計測してみた。WNR-5400XE6は、中継機を導入することでメッシュ構築が可能で、2台セットモデルも用意されている。アンテナは6GHz帯、5GHz帯、2.4GHz帯ともに2×2で、理論値は6GHz帯と5GHz帯が最大2401Mbps、2.4GHz帯が最大573Mbpsとなっている。WANポートのみ2.5Gbps対応なので、1Gbps以上の回線を利用しているなら、ボトルネックを解消してくれる。

バッファローの2台セットになったモデル「WNR-5400XE6/2S」のパッケージ。実売価格は単体モデルが2万3000円前後、2台セットモデルが4万4000円前後

コンパクトサイズでアンテナ内蔵ながら、意外と電波はパワフル。ポートは底面に配置し壁掛け用キットも付属する

 今回は、筆者宅に設置して3ヵ所で計測している。なお、筆者宅は軽量鉄骨造りの2階建て一軒家で、2階の納戸にルーターを設置。柱だけでなく壁の中にも金属が入っているため、木造住宅よりは電波の飛びは悪い。回線はフレッツ光ネクストの1Gbpsで、IPoE接続で利用している。

測定場所

6GHz帯が利用できるようになると、6GHz帯用のSSIDもしっかり見えるようになる

ネットワークの設定を見ても、6GHz帯で接続されていることがわかる

 まずは、Speedtestアプリを使い、外部との通信速度を計測した。なお、利用するサーバーや回線の混み具合によって速度が変わることを予めご了承願いたい。

Speedtestアプリでの結果

 結果はご覧の通り。ルーターに近いリビングと奥の部屋で、6GHz帯は若干落ちたが、5GHz帯はあまり変わらなかったのは驚き。VAIO SX14のアンテナ性能とWNR-5400XE6の性能が相まった結果なのかもしれない。1階奥の部屋は、さすがに6GHz帯だと上りが100Mbpsを切ってしまったが、5GHz帯はまだ十分余裕があるので、やはりルーターから遠くなるほど6GHz帯は5GHz帯よりもさらに電波の届きが悪いようだ。解決策としては中継機を導入してメッシュ化するか、ルーターから離れた部屋では5GHz帯を利用するほうがよさそうだ。

 もう1つ、iperf3によるスループットも測定してみた。ルーターの有線LANにUSBタイプのLANアダプターを装着したVAIO Zを接続しサーバーとして起動。VAIO SX14をクライアントとして、各部屋で30秒間計測の平均値をチェックした。

iperf3でのスループットの結果

 結果は、リビングだといずれも900Mbpsオーバーで6GHz帯のほうが5GHz帯に比べて速度の上下動が少なく若干安定しているようだ。奥の部屋でも800Mbps前後と高い値で1階奥の部屋でも6GHz帯はSpeedtestの結果よりもよい値が出ていた。

いち早く安定した通信を味わおう

 今回のアップデートで、ようやくWi-Fiの真の実力を発揮できたが、6GHz帯はまだしばらく利用者は少ないはず。VAIO SX14をすでに持っている人やこれから購入を検討している人なら、いますぐWi-Fi 6Eに対応したルーターを導入して、速度の安定感をいち早く味わってほしい。

 特に、5GHz帯の利用者が多かったり、航空無線が飛び交っているような地域に住んでいるなら、Wi-Fi 6E導入を即決すべきだ。

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