フォルクスワーゲン ジャパンは、ブランド初となるフル電動SUV「ID.4」の発売を開始した。価格はID.4 Lite Launch Editionが499万9000円、ID.4 Pro Launch Editionが636万5000円。
SUVの広い車内と長い航続距離が魅力のEV
ID.4は、同社SUV「ティグロン」と同じセグメントに属するミドルサイズSUV。電気自動車専用の新アーキテクチャー「モジュラー エレクトリックドライブ マトリックス」(MEB)を採用することで、ティグロンとほぼ同じボディーサイズながら、ロングホイールベースのレイアウト/床面に大容量バッテリーを搭載/リアモーター駆動レイアウトにより、1クラス上の広々と室内空間と、長い航続距離、そしてダイナミックな運動性能を実現している。
エクステリアは、SUVらしいコンサバティブなフォルムながら、今までのVWとは異なる流麗さが印象的。空気抵抗値(Cd値)0.28とSUVとしては優れた性能を達成し、航続距離の延長に貢献している。
その航続距離だが、ID.4では2種類のバッテリー容量とモーター出力を設定。Lite Launch Editionは電力容量52kWh/モーター出力170PSで、388km(WLTCモード)を実現。上位グレードであるPro Launch Edirionでは、電力容量77kWh/モーター出力204PSで、561kWhを実現している。バッテリーは水冷システムによって長寿命化を実現しており、8年間または16万km走行後も、初期状態の70%の充電容量を保証する。
充電は200Vの普通充電とCHAdeMO規格の急速充電に対応。0%から満充電までの時間は家庭用普通充電(6kW)を用いた場合、Lite Launch Editionで約9時間、Pro Launch Edirionで約13時間。90kWの急速充電の場合、バッテリー警告灯が点灯してから80%までの充電時間はともに40分としている。
「リアモーター駆動ということは、フロントボンネットの中はどうなっているのか?」と開けてみると、システム用バッテリーとエアコンのコンプレッサー、そしてバッテリー冷却システムなどが置かれていた。
操作系もインテリアデザインも未来的
インテリアはかなり近未来的。ブラウンのレザーとシルバーのデコラティブパネルをアクセントとしたモダンな空間となっている。室内はかなり広く、フラットフロアと相まって1列目と2列目がウォークスルー可能。Pro Launch Edirionではグラスルーフを採用し、解放感は一気に高まる。
それ以上に未来的なのが操作系で、センターコンソールにシフトレバーの類が一切ないこと。ドライブモードセレクターは、メーターパネルディスプレイの右側に配置。パーキングブレーキはドライブモード「P」に集約されており、自動動作。さらに電源ボタンも、パッと見たところ見当たらない位置に配置されている。
Pモードでブレーキペダルから足を離せば走行モードからアクセサリーモードに変わり、車外に出てリモコンキーで施錠すれば電源がオフになる(逆に解錠した段階でアクセサリーモードに変わる)。センターに配置された大型ディスプレイは、いわゆるディスプレイオーディオで、ナビ機能はスマホと接続しての使用する。ペダルに再生、一時停止のアイコンを使うあたりに、遊び心を感じさせた。
荷室はクラストップレベルの543リットル。リアモーター駆動ゆえに床面は高いが、奥行きはかなり広い。2列目シートの背もたれを倒せば1575リットルへと拡大する。