2022年は糖度が高く傑作
ボジョレー ヌーヴォーに合う料理は? 実は日本食にもぴったり! 名高きジョルジュ デュブッフ社の方にお聞きした
2022年11月30日 17時00分更新
こんにちは、おいしいお酒とおいしいごはんがだいすきな胃下垂ライター「やまお」こと山口真央です。
「11月の第3木曜日」と聞いて、ピンとくる方もいるはず。そう、先日はボジョレー ヌーヴォーの解禁日でした。毎年その年に獲れたばかりのぶどうを使ってつくられるフレッシュなワインを、みんなでお祝いする、とっておきの1日なのです。
今回はなんと、解禁日に開催されたサントリーさんの「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー テイスティングセミナー」に呼んでいただきました。うれしい! 編集部のナベコさんと一緒に、「今年のボジョレー ヌーヴォー」を楽しんできましたよ!!
そもそも「ボジョレー ヌーヴォー」ってなに?
さっそく試飲といきたいところですが、まずは「ボジョレー ヌーヴォー」の基本のキをおさらいしておきましょう!
■Q:ボジョレー ヌーヴォーってなに?
A:ボジョレー地区のぶどうでつくった新酒ワイン
ボジョレー ヌーヴォーとは、フランス・ブルゴーニュ地方の中でも上質なワインづくりに適していると言われるボジョレー地区でその年収穫したばかりのぶどうを使ってつくられるワインのことです。「ヌーヴォー」は、フランス語で“新しい”という意味。新酒であるため、フルーティで軽やかな味わいが特徴。また、その年の気候や日照時間でぶどうに特徴が表れるので、年ごとに個性が出るのもお楽しみ。じっくりと歳月をおいて熟成を楽しむ、一般的なワインとはまた違った楽しみ方ができるワインです。
■Q:解禁日はなんで11月の第3木曜日?
A:安息日である日曜日を避けるため
それでは、なぜボジョレー ヌーヴォーは「11月の第3木曜日」に解禁されるのでしょうか?
一般的に、春から夏にかけて成長したぶどうを収穫して秋口からワインつくりが始まります。そもそも解禁日は、早出し競争による品質低下を防ぐためフランスの法律で設けられました。
1951年には解禁日が12月15日と制定されましたが、11月には製品ができているボジョレー ヌーヴォー。「早く売りたい!」と生産者が解禁日の前倒しを懇願し、1967年には11月15日に変更となりました。しかしここでも問題が。日にちで定めてしまうと、その日が日曜日(安息日)と重なった年は解禁が困難になってしまったのです。そこで1985年には11月の第3木曜日と再度変更。
なお、時差の関係で、日本ではフランス本国よりも十数時間早くボジョレー ヌーヴォーを楽しめるんです! 日本にいてよかったー!
今年のボジョレー ヌーヴォーのお味は?
毎年、その年のできが話題になるボジョレー ヌーヴォー。では今年のできはいったいどうなのでしょうか?
■Q:2022年のボジョレー ヌーヴォーのできは?
A:アドリアン デュブッフさん曰く「一言で表すなら究極のヴィンテージ」
アドリアン デュブッフさんが言うには「今年はジョルジュ デュブッフ社のボジョレー ヌーヴォーの歴史にも残るくらいよいヴィンテージ(ぶどうの収穫年)。暑くて乾燥した日が続いたことから、糖分の高い質のよいぶどうが育ち、収穫時期も早くなりました。ぶどうは通常8月末から9月にかけて収穫するところ、今年、ジョルジュ デュブッフ社では、8月22日から収穫を始めました。この収穫の早さは2003年以来。2003年は、100年に一度のヴィンテージと言われましたよね」とのことでした。
……つまりは、100年に一度の当たり年と同じくらいのポテンシャルということですか! とにかく暑い夏となり、天候がよかったことから、アドリアン デュブッフさんがワインに携わった15年の中でも最高のぶどうに仕上がっているということなんです。わくわく!
さて、お勉強はこれくらいにしておいて……。もう、飲みたくてたまりません、お待ちかねの試飲タイムです!!
今回試飲させていただいたのは王道赤ワインの「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2022 セレクション ド デュブッフ」と、オレンジワイン「ジョルジュ デュブッフ オレンジ ヌーヴォー 2022 セレクション ド デュブッフ」です!
ではまず赤ワイン「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォー 2022 セレクション ド デュブッフ」からいただいてみます!
ジョルジュ デュブッフ社が手掛けるボジョレー ヌーヴォーの象徴的存在として、創業者ジョルジュ デュブッフ氏のブレンドを基につくられた商品です。ボジョレー ヌーヴォーならではの魅力が詰まった1本。今年は、より品質の高いぶどうの配合を増やしているとか!
イチゴジャムを思わせる甘~い香り。口に含むと軽やかでフルーティ。ボジョレー ヌーヴォーって爽やかな味わいから「酸っぱい」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、今年のボジョレー ヌーヴォーは「甘さ」を豊かに感じました! さすが、糖度の高い傑作のヴィンテージ。ぶどうというよりもクランベリーやストロベリーみたいな甘酸っぱさです。
お次に「ジョルジュ デュブッフ オレンジ ヌーヴォー 2022 セレクション ド デュブッフ」。
オレンジワインとは、白ぶどうの果皮や種を果汁と共に発酵してつくられたワインです。果実のフレッシュなみずみずしさの中にジューシーなオレンジや白桃を思わせる風味が感じられる、凝縮された旨味とコクを特徴としています。
先ほどのボジョレー ヌーヴォー(赤)とはまったく違う出会い! バラのような特徴的な芳香で、口に含むと、まるでマーマレードのようなジューシーさやみずみずしさが広がります。甘さ控えめなお酒が好きな人にはオレンジのほうが飲みやすい感じ……。
爽やかな口当たりの中に、ぶどうの果皮や種皮ごと発酵させているためか、ちょっと苦みやスモークっぽさもあり、なんともエキゾチックでグッド!
アドリアンさんがオススメする料理とのペアリング
今回の試飲会では、ワインと一緒に軽食もご用意いただきました(おなかすかせてきてよかった~!)。……が、一見「ワインと一緒に食べるの?」というようなメニューだったんです。
……サントリーさん、ワインですよ? 大丈夫? と思っていた自分を数秒後には殴りたくなります。
■油淋鶏×オレンジヌーヴォー
まずは爽やかなオレンジヌーヴォーから。オレンジワインそのものがほろ苦さを含んでいるため、生姜やねぎ、にんにくなどの食材とバツグンに合う!
やまお的大発見は油淋鶏! ネギの甘みが鼻にぬける瞬間、オレンジヌーヴォーを合わせると……、さらに奥にいた甘みと苦みが出てくるんです。なおかつ後味はスッキリ。油淋鶏の油っこさをすべて流してくれる、最強おつまみだ……!
■ヤンニョムチキン×ボジョレー ヌーヴォー(赤)
ボジョレー ヌーヴォー(赤)は甘みが強いため、甘辛い味わいのソースが合うんだそう。そこで合わせてみたのがヤンニョムチキン。うそだ~絶対合わないよ~と思っていたのですが、一口食べた瞬間、「おいしい……っ!」とナベコさんと顔を見合わせてしまいました。ヤンニョムの甘さがワインの甘酸っぱさで中和され、なんともいい相性。これはびっくりだ……。
■「豚肉」はボジョレー ヌーヴォー全般に合う!
ちなみにアドリアンさんに「もし日本食と合わせるならなにがいいですか?」と伺ってみたところ、「豚肉料理によく合います」とのこと。ボジョレー ヌーヴォーは全般的に通常のワインよりも爽やか。豚肉ってそもそも脂身が多いと思うのですが、ボジョレー ヌーヴォーであればさっぱりと流してくれるため、とんかつや角煮などとも相性がよいようです。やまおは生姜焼きと合わせてみたい! ちょっと特別な日の晩酌などによいかもしれませんね。
ボジョレー ヌーヴォーをお家でも! いろんな料理と合わせて楽しみたい!
今年のボジョレー ヌーヴォーはジューシーな甘みが特徴。ちょっと珍しいオレンジヌーヴォーはエキゾチックな魅力があり、個性が立っています。なんといってもボジョレー ヌーヴォーは香りがいいんです。年を越す前のご褒美として、家族と、お友達と楽しみたいですね。
おつまみは豪勢なものでなくてもよいのです。ご家庭でつくる炒め物やお惣菜のから揚げ、コンビニのおつまみなどでも十分なペアリングを楽しめるのが今年のボジョレー ヌーヴォーのいいところ。
試飲後、私は自宅近くのワイン店へ直行。同じものが置いてあったので、赤とオレンジを1本ずつ購入しました。お友達が家に来たときに「ヤンニョムチキンと合うんだよ!」って出してみようかな。きっと驚くぞ~!
ぜひ日常の「ちょっと特別な日」に、2022年のボジョレー ヌーヴォーをチェックしてみてくださいね!
(提供:サントリー)