今年のオープニングセレモニーでは、岸田文雄首相の来場は叶わなかったが、ビデオメッセージを寄せた。
岸田首相は、「IoTや第4次産業革命の潮流を捉え、CEATECは、2016年からデジタル家電のみならず、様々なデジタル技術を展示するSociety 5.0の総合展に生まれ変わった。そして今年のCEATECは、デジタル田園都市をテーマとした新たな展示スペースであるパートナーズパークを創設した。様々な業種の人や技術が一堂に集い、未来を議論し、常に時代の潮流を感じ取り進化してきたCEATECにふさわしい空間だと言える」と発言。「デジタル技術は、社会を変革し、社会課題を乗り越える鍵である。CEATECに展示される最新技術、そしてパートナーズパークでの議論がデジタル田園都市国家構想の実現、ひいては日本と世界の社会課題の解決につながっていくことを強く期待している」と語った。
オープニングセレモニーの場を盛り上げたのは、デジタル庁の河野太郎大臣であった。
河野大臣も、直前に視察した茨城県境町でのドローンの配送実験について触れ、「ラーメンを運んでも、スープをこぼさずに運べる技術が実現しているが、規制によって、ドローンは、最短距離の飛行ルートを飛べずに、道路の上を飛ぶことになる。しかも、赤信号になったら空中で止まらなくてはいけない」と状況を報告。会場は大きな笑いが起きたが、河野大臣は、「わけがわからない。そうした規制を外していきたい」と強い口調で述べた。
そして、「紙でやれ、対面でやれ、専任者を設置しろ、といった時代にあわないアナログ規制が、数1000件もある。これを一気に無くし、デジタル技術で置きかえていこうと思っている」と述べ、「規制を取っ払うことはやるが、置きかえる技術が出てこないと、なにもできない。こうした分野にも目を向けてもらい、置きかえられる技術があったら積極的にやってほしい」と、CEATEC 2022に参加しているIT・エレクトロニクス業界のトップに呼び掛けた。
河野大臣の突破力で、どこまで規制を撤廃できるか。そこにIT・エレクトロニクス業界は、どんなテクノロジーとソリューションで応えることができるのか。この両輪がうまく回らなければ、日本のDXは進まない。
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