ユニークなメール特化型RPAの魅力を聞く
業務にメールがある限り Autoメール名人は現場を救い続ける
提供: ユーザックシステム
ユーザックシステムの「Autoメール名人」は世にも珍しいメールに特化したRPA。業務に深く根付いているメールの受発注の処理を効率化できる。ユーザックシステムの小野 暁彦氏にAutoメール名人のコンセプトや利用イメージについて話を聞いた。
人手作業が前提のメールの自動化はけっこう難しい?
メールの処理を自動化するAutoメール名人は、普段人間が担っているメールの操作を自動化し、業務の効率化を実現する。なぜこういったRPAをわざわざ開発するに至ったのか? 汎用RPAでは自動化は難しいのか?
メーラーの自動化をしようとすると、メールの中身を解析して、操作ボタンを押させる必要がある。しかし、ユーザックシステムの小野氏は、メーラーの操作が人間を前提としている点が自動化の課題になっていると指摘する。
「人間であれば、タイトルから判断してどのメールを先に処理すべきか、未読なのか既読なのか、添付ファイルを保存したか、簡単に判断できますが、RPAにとっては難しい。RPAでやろうとすると、そのロジックまで組み込まなければいけません」(小野氏)
その点、Autoメール名人はさまざまなメール操作を自動化できる。たとえばメールアドレスや件名、添付ファイル名などを条件に受信フォルダから処理対象のメールを抽出したり、メール本文から顧客コード、商品番号、金額などをコピーし、Excelシートにペーストすることが可能だ。
こうしたメール操作の自動化を実現するため、Autoメール名人は自身にメーラーを搭載している。RPAで処理するための専用メーラーのため、複数の操作を組み合わせたフローを自動化することが可能だ。
また、メールの操作のみならず、添付ファイルの操作も行なえる。ファイルの添付や開封はもちろん、圧縮や展開、パスワードの設定や解除も可能。その他、Excelの添付ファイルをPDFとして保存したり、特定のフォルダに保存したり、ファイル名を変更することも可能。こうした処理の自動化が、後述する電帳法対応に大きな効果を発揮する。
さらにAutoメール名人では高機能なデータ変換ツール「Transpeed」も内蔵している。「受注メールに添付されてきた注文書を自動的に基幹システムに登録できないか?という相談を多くいただきます。この場合、Autoメール名人のデータ変換機能を使えば、添付ファイルを基幹システムに取り込めるCSVファイルに変換することができます」と小野氏は語る。
細かい分岐処理も制御可能 かなり作り込みができる
Autoメール名人は、大きくメーラーと自動化の設計アプリケーションという2つのプログラムに分けられる。
メーラーは社内で利用しているメールサーバーの設定を行なえばすぐに利用できる。マルチアカウント対応なので、「納品書用、請求書用でメールアカウントが異なっているのであれば、複数のアカウントを登録していただけます」とのこと。
画面も普通のメーラーと基本同じだが、受信フォルダが「処理済み」と「エラー」という2つに分けられている。Autoメール名人での処理が成功すると処理済み、失敗するとエラーのフォルダに振り分けられる。エラーフォルダに振り分けられたものは不備があるので、自動化の処理を一度見直し、再度試すというフローで運用すればよい。
一方の自動化設計アプリケーションは、処理のコマンドをつなげてフローを構築していくタイプ。「Autoメール名人の自動化シナリオは、わかりやすいフロー型です。左側のパレットからコマンドを右側のセルに配置し、アイコンをつなげていくことで自動化を設計します」(小野氏)。
コマンドはExcelリストからの差し込みも可能な「メール送信」のほか、処理対象のメールをフィルタする「メール解析」、添付ファイルの保存と本文内からのテキスト抜き出しを行なう「抽出」といったメール操作のほか、ファイル操作、フォルダ参照なども用意されている。Autoメール名人では、ユーザーオリジナルの変数を作れるので、件名や本文を細かくカスタマイズできる。
また、データ変換の設定は、GUIのツールから入力ファイルと出力ファイルのそれぞれの項目をマウスで関連付ければOK。変換時にマスタを参照したり、項目を結合したり、計算処理を付与することも可能。対応データ形式もTXT、CSV、Excelのほか、SQL Server、Oracle、Access、MySQL、PostgreSQL、ODBC、OLE DBなど多種多様だ。
これらを組み合わせることで、たとえば発注データ送付の場合、「基幹システムからCSVファイルを入手」「Excelファイルに変換」「パスワードを付けてメールに添付」「取引先に送付」というコマンドをつなげればよい。
条件式、繰り返し、スルー、外部プログラムの呼び出しなども選択できるため、分岐処理も用意できるので、たとえばデータ変換が失敗した場合に確認メールを出すといった処理も可能だ。「かなり作り込みができ、取引先ごとに細かい分岐ルールや繰り返し処理を設けることで、数百社の取引先の個別対応を自動化させることができます」と小野氏は語る。
汎用RPAのAutoジョブ名人に対して、メールに特化したAutoメール名人は変数を自ら設定できるのが特長だ。Excelで作ったアドレス帳を使って、差し込みなど細かい制御が行なえる。上級者はVB.netを使えるので、受信したメールの特定箇所に値がなかったら、if文で別の値を入れるとか、半角スペース空きや記号をルールにあわせて削除するといった処理も行なえる。一方で、スケジュール機能はAutoジョブ名人と同じ。たとえば、月曜日が祝日だった場合には次の日に送るのか、翌週に持ち越すのかなどきめ細かな制御が可能だ。
設計について小野氏は、「添付ファイルを扱ったり、データ変換する場合は情シスのようなスキルが必要ですが、メールを単に送るだけであれば、現場の方でも簡単に使えると思います。フォルダを指定して、ファイルを指定するだけなので。私のお客さまも現場の方で設計しているケースもあります」と語る。
処理漏れの多いメール業務の手作業を自動化できる
利用用途としては、やはり受注業務が多く、全体の半分以上を占める。メールに添付された注文書を基幹システムに取り込む用途が多い。また、送信系の用途であれば、請求書や納品書の送付をペーパーレス化するためにAutoジョブ名人を利用するパターンは多い。
また、FAXでの受注をメールに切り替える提案でAutoメール名人を提案しているという。相手先にメールでの送信をお願いする必要はあるが、自動で受発注できるメールEDIを実現できるという。Excelの加工も可能なので、請求書や納品書の編集をAutoメール名人に任せてしまえばよい。
小野氏は、「メールというのはいつ来るかわからないという性質があります。これに対してつねに人間が備えていなければならず、来たときにメールを探したり、処理済みか確認したりするので、処理漏れが多いのがメール業務の特徴です。Autoメール名人ではこうした手作業が自動化され、処理漏れもなくなります」と導入効果について説明する。