自動車メーカーとコーヒーメーカーが
脱炭素社会に向けてタッグを組んだ！
サステナビリティを信念の1つに掲げる日産自動車は、おいしさを徹底的に追求したコーヒーを提供する「ブルーボトルコーヒー」と初めてコラボレーション企画を実施。東京ドイツ村(千葉県袖ケ浦市)敷地内において、移動型店舗「SAKURA COFFEE」を10月19～31日までの期間限定でオープンしている。
東京ドイツ村で移動型店舗「SAKURA COFFEE」が、10月31日まで期間限定オープン
このコラボレーションは、両社がともにカーボンニュートラルの実現を目指すという社会的使命の下、脱炭素社会の実現に向けた新たなアクションの一環として実現したものだ。その核となる移動型店舗「SAKURA COFFEE」で使う電力は、その一部を軽EVとして爆発的な売れ行きを見せている「日産サクラ」から供給を受ける店舗設計となっている。
移動型店舗の名称は「日産サクラ」にちなんで名付けられ、水槽のモニュメント内では桜が舞う演出も
移動型店舗「SAKURA COFFEE」が掲げるコンセプトについて記載したポスター
ご存じの方も多いとは思うが、日産サクラは20kWhの大容量EVバッテリーを搭載したバッテリー式電気自動車だ。搭載されたバッテリーはただ走ることに使うだけでなく、家庭への給電や余った電力を蓄えることができる。このシステムを使って、店舗で使う電力の一部を賄おうというのが今回のコンセプトである。
そのため、店舗敷地の中央には「日産サクラ」が置かれ、この車両のバッテリーからパワームーバーを介して、ホットコーヒーを提供するための湯沸かし器、グラインダーなどに電力を供給する仕組みとなっていた。取材当日は残念ながらその設備が間に合っておらず、電力がトレーラーに送られる演出だけが準備されていた。広報担当者によれば、10月22日以降には実際に電力の供給が開始される予定とのことだった。
正午前に店舗を訪れると、すでに数名の来店者がコーヒーの注文を行っていた
コーヒーカップには「日産サクラ」と「ブルーボトルコーヒー」を描いたオリジナルスリーブが付いてくる
移動型店舗「SAKURA COFFEE」では、ブルーボトルコーヒーと共同開発したサステナブルな限定フードなどを提供。アイデアから開発までを自然と共生するコーヒーショップとして環境にも徹底的にこだわっており、その味わいから未来を考えるきっかけになってほしいとの願いが込められている。
ここで販売されている商品は、「サステナブルコーヒー」として、ブルーボトルコーヒーの100％オーガニックなコールドブリュー缶や、バリスタがドリップしたスペシャリティコーヒーで、これをオリジナルスリーブ付きカップにて提供。環境負荷の低い大豆やパンプキンシードなどの持続可能な食材を活用した限定フードメニューも用意された。そのほか、土の中で分解可能なバンブーパウダーを使用したエコカップやタンブラーも販売されている。
土の中で分解可能なバンブーパウダーを使用したエコカップやタンブラーも販売
アイスコーヒーはブルーボトルコーヒーの100％オーガニックなコールドブリュー缶から提供される
取材した当日は、雲ひとつない青空が広がる快晴で、環境負荷削減に考慮した両社のコラボにはぴったりのコンディション。店舗には昼前に到着したが、すでに何名かの来店者がトレーラーの前でコーヒーを注文しているところだった。店舗敷地内にはパラソルが付いたテーブルが置かれ、東京ドイツ村の緑豊かな風景を眺めながらゆっくりとくつろげるスペースも用意されている。筆者もここでコーヒーをいただいたが、緩い風が頬をなでる中がこの風景を眺めるのが何とも心地良かった。
環境負荷の低い大豆やパンプキンシードなどの持続可能な食材を活用した限定フード(手前)も提供されている
移動型店舗「SAKURA COFFEE」の営業時間は、原則として午前9時30分～午後5時まで（天候などの状況次第で変更になる）となっているが、10月28日には東京ドイツ村でイルミネーションの点灯式が開催されることになっており、それ以降の31日までは午後8時まで延長してオープンしているという。
午後には店舗前で順番を待つほどの多くの来場者が訪れていた
東京ドイツ村の入場口。ここで入場料を支払い、場内はマイカーで周遊する。写真のサクラは店舗とは別の車両
