「Aruba Instant On」の最新Wi-Fi 6アクセスポイントで高信頼/簡単/低コストなビジネスWi-Fiを
これからの小規模オフィスや店舗に必要なWi-Fi環境とは? Arubaのプロに聞いた
2022年10月20日 08時00分更新
あらゆる業界でビジネスのデジタル化、いわゆる「DX」が急速に進み始めている。それに伴って、オフィスだけでなく、店舗や工場、カフェ、ホテル、クリニックなど、あらゆるビジネスの現場で多様なWi-Fiデバイスが使われるようになった。加えて、カフェやホテル、コワーキングスペースなどでは来客用の「ゲストWi-Fi」提供も必須になっている。
ただし、こうしてWi-Fiネットワークへの依存度が高まるほど、万が一それがダウンしてしまった場合のビジネスへの影響も大きなものになる。とは言え、上述したような現場に専任のIT担当者がいるケースは少なく、またネットワークの導入や管理に大きなコストはかけられないのが実態だ。
企業向けWi-Fi/ネットワーク製品のグローバルメーカーであるHPE Aruba(アルバ)では、そうした企業や悩みを解消するWi-Fi製品シリーズ「Aruba Instant On」(インスタントオン)を展開している。今回は、そんな“ネットワークのプロ”であるArubaに、これからのビジネス現場のWi-Fi環境で考えるべきポイントや、家庭向けWi-Fi製品とビジネス向けWi-Fi製品の違い、小規模環境で導入しやすいAruba Instant Onの特徴などを聞いた。
あらゆるビジネスの現場で不可欠なWi-Fi環境、その要件とは?
前述したとおり、今やあらゆるビジネスの現場でWi-Fiデバイスが活用されるようになっている。オフィスにあるパソコンやプリンター/複合機に始まり、店舗のスマートレジや監視カメラ、クリニックの受付タブレット、デジタルサイネージ、倉庫のハンディ端末、工場の生産設備/IoTデバイスなど、多様なデバイスがWi-Fiでネットワーク接続され、日々の業務を支えている。
それに伴って、業務現場をWi-Fiネットワークでカバーする必要が生じている。HPE Aruba 製品マーケティング部 部長の藤内理志氏も、「幅広いビジネスの現場で、業務用のWi-Fi環境が必須になってきています」と証言する。
「たとえば最近の小売店舗やレストランに行くと、Wi-Fi接続のスマートレジやキャッシュレス決済端末が多く使われています。お客さんの注文を取るのもスマートフォンのアプリですよね。また工場でもここ数年、工場全体をWi-Fiエリア化してIoTデバイスを接続し、作業を効率化していこうという動きが広がっています」
こうしたビジネス現場のWi-Fiネットワークに求められる要件とは何か。藤内氏は、ユーザーの側から見れば「確実につながり、途切れないこと」と「スピード」の2点を挙げる。Wi-Fiネットワークとしては当たり前の要件にも思えるが、特に「ビジネスで利用する」ネットワークであることを考えると、その重要度は極めて高い。Wi-Fiデバイスがネットワークにつながらなければ、たちまち業務がとどこおってしまい、大きな損害を生み出しかねないからだ。
加えて藤内氏は、ITを管理する側の視点では「セキュリティ」も重要不可欠な要件だと指摘する。業務利用しているネットワークに第三者が侵入すれば、Wi-Fiがダウンするよりもさらに大きな損害が発生するおそれがある。Wi-Fiへの不正な接続だけでなく、たとえば従業員が勝手に接続したIoTデバイスがサイバー攻撃の踏み台にされるといったリスクも考えなければならない。
とは言っても、小規模なオフィスや店舗、ホテル、工場といった現場に専任のIT担当者がいることはまれであり、その現場で“ITに少し詳しい人”が兼任IT担当者として任されていることも多い。そのため、こうした現場のWi-Fiネットワークは「運用管理はわかりやすく、なるべく手間がかからない」ことも大切だ。
「こうした現場には、ITにつきっきりで取りかかれる専任担当者の方はほとんどいないと思います。したがって、導入時のセットアップや基本的な設定は簡単にできて、常に監視をしていなくても何かトラブルが起きたときにはアラート(通知)が来てすぐに確認できる、そういう製品が適しているでしょうね」
小規模なビジネス現場のニーズに応える「Aruba Instant Onシリーズ」
こうした小規模なビジネス現場向けの要件を備えるのが、Aruba Instant Onシリーズのネットワーク製品だ。2019年から販売をスタートし、現在ではさまざまなネットワーク規模/用途に対応するかたちで、Wi-Fiアクセスポイントと有線LANのスイッチ(L2/L3)を多数ラインアップしている。
藤内氏は、「Aruba Instant Onは、Arubaが『シンプルを極めたスモールビジネス向けネットワーク』をコンセプトに開発する製品シリーズです」と説明する。
たとえばAruba Instant On製品のセットアップや運用は、すべてモバイルアプリ(またはWebブラウザ)から行うことができる。日本語GUIの指示に従って操作すればよいので、初めて使う人でもすぐに慣れるはずだ。
このモバイルアプリはクラウド経由でリモートから、つまりオフィスや店舗の外からでもネットワーク機器の稼働監視や設定変更などができる。さらに、異常発生時にはアラートがプッシュ通知されるので、外出先にいてもすぐに異常を把握し、ネットワークの状態を確認して復旧につなげることが可能だ。担当者が「ITにつきっきり」になる必要はなく、たとえばチェーン店舗、オフィスと倉庫のような複数拠点を1つのアプリでまとめて管理することもできる。
ちなみに、Instant Onと同種のクラウド管理サービスは近年のビジネス向けネットワーク市場で増えているが、Instant Onの場合はサブスクリプション料金がかからず無償で利用できる。数年間のトータルコストを考えるとこれも大きな特徴と言える。
こうした「シンプルさ」と同時に、ビジネス向けネットワーク製品として「高い信頼性」という特徴も持っている。もともとArubaはエンタープライズ(大規模企業)向けWi-Fi/ネットワーク製品で高い世界シェアを誇るメーカーであり、高度な設計開発の実績を持つ。Aruba Instant Onシリーズには、そうしたエンタープライズ向け製品の技術やノウハウが詰め込まれている。
「Aruba Instant Onは、Arubaブランドのエンタープライズ向け製品のハードウェアを、機能や設定をシンプルに絞り込んだ専用OSで動かすことによって、信頼性、安定動作、運用管理、コストと、あらゆる面で『導入しやすい』製品シリーズになっています。導入事例も増えていますね」
ちなみに、小規模な現場のWi-Fiネットワークでは安価な家庭用Wi-Fi製品(Wi-Fiルーターなど)が利用されていることも多いが、機器稼働の安定性という点ではやはりビジネス向け製品に軍配が上がる。ネットワークのダウンによる業務影響の大きさ、想定される損害を考えると、ビジネス向け製品の安定性、信頼性を選択するのが最終的には“お得”なはずだ。
「そもそもネットワーク製品に組み込まれるチップセット(半導体)のメーカーは、安価なコンシューマー向け(家庭向け)と信頼性の高いビジネス向けのチップセットを別々にラインアップしています。こうしたチップセットの違いは、特に多台数のデバイスが同時に接続するなどして高い負荷がかかったときに表れます。コンシューマー向けのWi-Fiルーターで急に通信できなくなり、仕方なく電源を抜き差しして復旧させた――なんて話はよくありますよね」
カタログ上では“○○台の同時接続が可能”とうたっていても、現実にその台数を接続してみるととても実用に耐えないというケースは、特にコンシューマー向け製品では少なくない。
「先日、Instant OnのWi-Fi 6アクセスポイント(AP25)、国産メーカー製の法人向けWi-Fi 6アクセスポイント、コンシューマー向けWi-Fi 6ルーターを使って、同時接続性能の比較テストを行いました。40台のPCで同時に映像をストリーミング再生させたのですが、国産ベンダー製品やコンシューマー向け製品は映像の遅延やコマ落ちが発生し、最終的には半数前後のPCしか再生できなくなる結果となりました。一方で、Instant Onのほうは40台のPCが滞ることなく動画再生できました」
信頼性が高くハイパフォーマンスなWi-Fi 6対応アクセスポイント「AP25」
小規模ネットワーク向けに開発されたAruba Instant Onシリーズの最新製品が、Wi-Fi 6(802.11ax)対応のビジネス向けアクセスポイント「Aruba Instant On AP25」(以下、AP25)である。
AP25は4×4 MU-MIMO/4空間ストリーム、160MHzチャンネル帯域幅(HE160)に対応し、最大データレート5.3Gbps(4800+574Mbps)、最大同時接続数100台以上という高いWi-Fiパフォーマンスを実現するアクセスポイントだ。高速通信に対応するため、有線ポート(Ethernetポート)も2.5G仕様となっている。小型の電源アダプターが付属する同製品の希望小売価格(税抜)は5万4000円だ。
「AP25のハードウェア性能は、Arubaブランドのエンタープライズ向けアクセスポイント製品群で言ってもミッドレンジクラスにあたります。ただしAruba Instant Onシリーズとして機能を必要なものだけに絞り込み、価格を安く抑えています」
藤内氏は、Wi-Fi 6対応のクライアントデバイスが普及しつつある現在、アクセスポイント側もWi-Fi 6対応にすることで通信スピードのボトルネックが解消され、なおかつアクセスポイントの通信負荷も抑えられると説明する。
「Wi-Fi 6対応のデバイスも身の回りに普及しつつあり、これからはWi-Fi 6がスタンダードになると考えています。特にデバイスの接続台数が多い環境では、Wi-Fi 5以前よりも効率良く通信する仕組みになっていますから、オフィスや店舗といったデバイス台数の多い環境では、Wi-Fi 6アクセスポイントのメリットは大きいと思います」
オフィスや店舗だけでなく、たとえば不特定多数が接続するカフェなどのゲストWi-Fi、コワーキングスペースや学習塾などのネットワークでも同様に、Wi-Fi 6のメリットは大きいはずだ。
導入コストを抑えつつWi-Fi環境を改善するポイントとして、もうひとつ「スマートメッシュ」への対応がある。アクセスポイント間を無線接続するスマートメッシュ機能を使えば、LANケーブルが敷設されていない場所にもアクセスポイントを設置して、工事なしでWi-Fiエリアを拡張できる。Aruba Instant Onシリーズのアクセスポイントは全機種スマートメッシュ対応だが、特にAP25は最大4.8Gbpsのメッシュ接続を実現する。有線ネットワークと遜色ない高速な通信ができるわけだ。
なおAruba Instant Onシリーズでは、AP25よりも小規模な環境向けのWi-Fi 6アクセスポイント「Aruba Instant On AP22」もラインアップされている。こちらは2×2/2ストリームでデータストリームは最大1.7Gbps、同時接続台数は75台で、希望小売価格は3万6000円である。
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かつては「とにかくつながれば良い」という程度の存在だったビジネス現場のWi-Fiも、今やビジネスに欠かせない“重要インフラ”となっている。通信品質が悪ければ業務に支障が出たり、従業員や来客から不満の声が上がったりしてもおかしくはない。
ただし現実には、最初に導入した状態のまま放置されているようなWi-Fi環境も少なくないのではないか、と藤内氏は語る。ぜひこの機会に、現在のWi-Fi環境が「快適」なものかどうかを見直し、Aruba Instant Onシリーズ製品の導入を検討してみてはいかがだろうか。
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(提供:日本ヒューレット・パッカード)