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クルマ作りの人材育成のためスーパー耐久に参戦するHonda従業員チーム「Honda R&D Challenge」

2022年09月25日 18時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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フロント周りが落ちそうになるも
ガムテープでの修復で事なきを得る

戦況を見つめるチームスタッフたち

対応策を話し合うメカニックたち

 トラブルが起きたのは山本さんがステアリングを握っていた頃。フロントのリップスポイラーが外れかけてバタバタしはじめたではありませんか。ピット内ではチームスタッフと次のドライバーである木立さんがモニターを凝視しています。そして木立さんはヘルメットをかぶりピットレーンへ。

エンジンルームをチェックするメカニック

マシンに乗り込み、作業が終わるのを待つ木立選手

ガムテープで補修している様子

 木立選手にドライバーチェンジするタイミングでメカニックたちはエンジンフードを開けてチェック。幸い異常はなかったようで、ガムテープで補修。そのままピットアウト。

どこかで見たことあるような顔つきになってしまったシビック TYPE R

バックストレートの坂を下る木立選手が運転するシビック TYPE R

最終コーナーを駆け抜ける木立選手

 ボロボロの顔になってしまったシビック TYPE R。ですが走りに問題はなく、木立さんは周回を重ねていきます。そしてコース上で1台をパス! 石垣選手に最後を託しました。

マシンを降りる木立選手

最後のタイヤ交換。やはりフロント2本のみ

ゴールを目指すシビック TYPE R

 あとは石垣選手がチェッカーフラッグを受けるのを待つだけ。静かにモニターを見ながら戦況を見守ります。レース中にピットの片付け作業をするチームもある中、Honda R&D Challengeはただただ石垣選手の帰りを待ちます。

16時5分のレース終了を待つ選手とレースクイーンの今田さん

経過時間5時間を迎えてファイナルラップを迎える

チェッカーを受けた瞬間。他チームの選手も健闘を労った

フィニッシュ後のピットレーンの様子

 そして日も傾きはじめた16時5分過ぎ、西日を浴びながら見事に4位でフィニッシュをはたしました。この日、2台がリタイアしたST-2クラス。走り切ることが何より大切。そして全員が一人ひとりと硬い握手をして、健闘を称え合いました。

見事4位完走をはたしたマシン

 「表彰台まで、あと一歩でした。悔しいですね」という木立さん。「でも1台抜きましたよ!」と大変うれしそうに語ります。そして「最終戦の鈴鹿で、新型のTYPE Rで参戦します! 今年はシビック誕生50周年、TYPE R誕生30周年ですからね。しかも、決勝日は最初のTYPE RであるNSX TYPE Rの発売日でもあります。これは燃えますね」と力強く語ってくれました。

最終戦では新型シビック TYPE Rが投入!

最終戦の鈴鹿で新型シビックTYPE Rを投入!

 ということは「次の岡山国際で、このシビック TYPE Rとお別れなんですよ。やっぱり寂しいですよね。4シーズン戦ってきてくれたマシンですから」と惜別の思いも。「最後もしっかり戦って、表彰台に登りたいですね」と、なにか噛みしめるように語る姿が印象的でした。

メインストレートを走行するシビック TYPE R

 自己啓発としてのレース活動をするHondaの開発スタッフ。自腹活動であるにも関わらず、若い人が楽しそうにレースに参加している姿が印象に残りました。そんな姿を見ながら、「未来のHondaのクルマは、絶対楽しいものになる」という確信を得てサーキットを後にしました。その第一弾が、柿沼さんが手掛けた新型シビック TYPE Rなのかもしれません。

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